〜本文より一部抜粋〜
様々な人が仕事場を共有できる託児付きのコワーキングカフェ「みらいきって」(大阪府茨木市)も主婦らの就労支援に取り組む。仕事と育児の両立を考える講座を開き、運営会社社長の高桑宣子さん(40)が起業相談に応じる。来年1月には茨木市内で地元の約30社を集めた合同説明会を初めて開き、会場で託児を行う予定だ。
高桑さんは結婚後、退職して3人を育てていた。「子どもと同じ空間で働きたい」と在宅でライターの仕事などを手がけ、20年に株式会社を設立。昨年3月に開業したカフェは「自分自身がずっと欲しかった」と振り返る。
今年に入り、サイト運営などの仕事を企業から受注し、希望する主婦らに委託する取り組みも始めた。「経験やスキルがある主婦は多い。ブランクに引け目を感じず、子育て中もキャリアを諦めないでほしい」と高桑さんは話す。
柔軟な支援が必要
少子高齢化で労働力不足が進む中、離職した女性の再就職をどう支えるかが問われている。総務省調査では未就学児がいる女性521万人(昨年10月時点)のうち、138万人が無業者だ。厚生労働省によれば、各地のハローワークには「ブランクが長くて不安」「子どもの発熱などに応じて柔軟に休める職場はあるか」といった相談が寄せられるという。
同省は子連れで仕事が探せる「マザーズハローワーク」を全国21か所に設置。185か所のハローワーク内にキッズスペースを備えた「マザーズコーナー」を設けるが、都市部に偏在している。
第一生命経済研究所の福沢涼子研究員は「どんな働き方なら家庭と両立できるのか、いったん離職すると本人も確信が持てず、再就職に踏み出しにくい」と指摘。その上で「子連れでも居心地のいいカフェだからこそ、悩みに沿った柔軟な支援ができる。主婦と企業を結びつけ、地域活性化にも貢献している」と評価している。
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