売上を伸ばすより、崩れない事業をつくる
起業して10年が過ぎました。
起業した当初は32歳だったのに、42歳になり、そらお肌も乾燥するわと思いながら、毎日保湿液を顔に吹きかけまくっています。
そんなわけで今回は10年事業をしてきて感じた、「売上が伸びていることが、必ずしも事業が健全ではない」という視点で記事を書いてみようと思います。
売上を伸ばすより、崩れない事業をつくる
過去の自分はどうやって売上や利益を伸ばすかばかりを考えていました。実は今もです(今もかい)
『自分がやる=タダ』なので、なるべく人件費を削って、徹夜すれば良いと思っていた過去。実際、売上・利益は順調に伸びました。もちろん、そういったフェーズ自体は会社を成長させ、守る上で必要な期間としてあっても良いかと思います。
特に私のような創業社長は売上0からのスタートなので、売上を伸ばすことが自分の努力の結果だと思いこみ、さらに頑張ってしまいます。
余談ですが、私はドラクエが大好きで小学生の頃はドラクエしたさに学校をズル休みまでした強者なのですが(あまりに毎日ドラクエ漬けの毎日を送るので、激怒した母親にアダプターを隠された)、モンスターを倒してお金を稼ぎ、レベルをどんどん上げていくあの感じに似ています。
一人社長で永久的に続けていく人ならそれでOKなのかもしれませんが、雇用して会社を成長させたいと思うのであれば、努力で勝つ経営ではなく、構造と仕組みで勝つ経営にシフトしていかなければいけません。
損益計算書(PL)しか見ていなかった私
損益計算書(PL)は、数字が苦手な自分でも、何となく感覚で把握できるのでPLは割としっかりみていました。
しかし、PLはあくまで「過去の結果」を示すものであり、会社の「未来」を直接表すものではありません。
にもかかわらず私は、「売上が伸びること=会社の成長、事業が健全」だと考えていました。
結果、売上や利益を伸ばすことばかりに意識がいき、その先に待ち受けていたのは
・いつまで経っても忙しい
・忙しい=成長だと勘違いする
・時間に余白がなく、いつも頭が騒がしい
忙しくて騒がしい…とんでもない状態…
「売上や利益を伸ばすのが目的」になってしまうと、努力量を増やそうという意識が働いてしまうのですが(自分の場合は)、売上や利益を見る目的は、予実管理のためなのではないかと思うのです。
弊社では毎月、月次決算を行い今月の振り返りと次月のシュミレーションを行っているのですが、売上に一喜一憂するのではなく、あくまでもズレを把握するために行なっています。
私は素人なので、財務顧問の中西さんに説明をしてもらいながらですが、数年前、赤字だった事業を黒字にできたのは、勘の経営から見える経営に変えたからだと思います。
ちなみに、私が考える予実管理の目的は
- 感覚経営から脱却する
- 早めに異常に気づける
- 黒字構造を維持できる
- 社長の勘ではなく「構造」で経営できる
私の勘なんて、当てずっぽうで脆いものです。女の勘が働くのは、亭主の浮気くらいなものです。
BS思考経営で、事業を強くする
貸借対照表(BS)は、私が苦手だったやつです。何度見方を教えてもらっても、寝たら忘れてしまう。
あと、目先の売上や利益にしか興味のない頃は、

だから何なんだ!てやんでい!
みたいな、私の中の見知らぬ江戸っ子が出てきます。
指針セミナーでは、「BSは社長の成績表、会社の体力を表すもの」だという話がありました。
私は専門家ではないので、以下を見るのが精一杯です。
売上が落ちても耐えられるか
お金は回っているか
借金に頼りすぎていないか
次の投資ができるか
BSも見るようになったことで、自分の会社はどこまで耐久力があるのか(安定しているのか)が、何となく分かるようになりました。
事業を崩れない形にすること
売上が伸びるのは嬉しいことですが、安定して伸ばすには、努力量ではなく再現性や、感情ではなく仕組みやルールで回すことも重要です。
売上に一喜一憂する方や、例えば、まだ人も足りていないし仕組み化もできていないのに「とにかく売上を立てたい」と、ネットショップを急いでオープンしたり、新サービスを中途半端にリリースしてしまい、現場が混乱するということも珍しくありません。
ただ、現場が回らない原因は、人がいないのではなく、「役割を作っていない」「担える構造がない」ことが多かったりします。
発送業務を担う人
シフト作成や管理を担う人
経理業務を担う人
仕入れを担う人
私もつい「忙しいから人を入れよう」と思ってしまいがちなのですが、どこが詰まっているのか?人ではなく構造で見るよう心がけています。
構造で勝つ経営に
人手不足で頭打ちになっているのであれば、
人に依存しない仕組み
感情ではなくルールで回す
努力量ではなく再現性
全て社内(内製)でやろうとしない
努力で何とかする短期的な頑張りではなく、長期的に勝てる構造を作る。その方が会社としては健全だなぁと思ったりしています。
利益をどこに使うか?攻めるか守るかは経営判断
「会社で起こることは全て、経営者の責任である」と、やっと私も思えるようになりました。
以前までは、

いえいえ!
とはいえですよ?指示や忠告を無視した結果、できないんだったら社員のせいではないですか!
と鼻を膨らませて、正当性をアピールしたくなっていました。
ただ、社長の経営判断のもと、社長が作った仕組みの中で起きていることは、どんな理由であろうとも、やはり社長の責任だなぁと思うのです。
だからこそ、常に
・構造や仕組みを疑う
・攻めるだけではなく守りを固める
・今までのやり方に固執しない
・思考・行動を柔軟に考える
ことが大切だと思います。
数年前の私は(今もその節はかなりありますが)、自分でやった方が早いし正確だし、顧客にも喜んでもらえると、本気で思っていました。ただ、そうした結果
判断の質が落ちる
思考が分断される
次の一手がかなり遅れる
未来を考える時間がなくなる
さらに、「外注=お金がかかる」と思い込み、だったら自分でやろう!自分はタダ!と、時間を削ってお金を稼ぐという思考でした。
これは、コスパ最悪です。
数年前の自分が目の前に現れたら、くどくどと説教したいですし、それでも憎たらしく言い返してきたらニーキックくらいはしてやりたいと思います。
また、スタッフを信頼して仕事をお願いするようになって、私自身気づいたことがあります。
スタッフの方が優秀
スタッフの方が丁寧
スタッフの方が顧客対応も上手
私の存在意義とは…!
どうやって売上を伸ばす<どうやって事業を崩れない形にする
会社を強くするというのは、「努力」ではなく、業務を適切に切り分け、頼れる構造を持つ会社になることなのだと思います。
誰かに任せられる形をつくるほど、会社はしなやかになります。
外注とは、手放すことではなく、つながること。
できないからお願いするのではなく、続けるために選ぶこと。
売上を伸ばす前に、崩れない構造をつくる。
人を増やす前に、支え合える仕組みをつくる。
どうやって売上を伸ばすかより、どうやって事業を崩れない形にするか。
その問いに向き合ったとき、外注という選択は、コストではなく、未来への投資に見えてきます。
余談ですが、弊社は財務顧問が「しっかり利益を出して税金を納めましょう!」という考えなので、私も節税思考にならず、利益の使い道の判断基準は「未来への前払いになっているか」になりました。
来期の自分やスタッフ、会社が楽になるか?
属人性が下がるか?
余白が生まれるか?
会社は、一人で強くなるものではなく、構造で強くなるもの。
私はこれからも、「頑張る経営」ではなく、「続く経営」を選んでいきたいと思います。
とか言いながら、今日もこっそりと事務作業をしています。
おしまい


