【10人の壁】メンバー0人から10人以上の組織へ。社長のパワープレイが通用しなくなった時にやるべきこと
気づけば、みらいきっては10人を超える組織になりました。 0から会社を創業し、組織へと作っていく過程は大変です。 涼しい顔して「自分、組織づくり得意なんで!」とか言いたいところですが、全然涼しい顔なんてできませんし、汗まみれです。
今回は、実際10名の組織を作った体験談と、失敗と失敗と、少しの成功談を書こうと思います。 *今回は組織の話なのでカフェ事業は割愛します
スタッフ数0人→5人期
みらいきっての場合は、創業メンバーを集めてスタートしたというわけではなく、完全に私一人でスタートしたので、私以外のメンバーは0人からのスタートです。
2015年に個人事業主としてスタートし、 2020年に法人化、最初は一人社長でした。
本業としてはじめての雇用は、何をとち狂ったか、2023年に5人のパートさんを一気に雇ったことです。 自分でいうのも何ですが、自分って面白いなと思うわけです。 最高にクレイジーです。
前世は、たぶん織田信長です。
「兵農分離(武士と農民を分ける)」をいち早く進め、足軽集団を一気に組織化したり、長篠の戦いで鉄砲を3,000丁用意したように、中途半端にやるくらいなら、まずは数で勝負だろうという、トチ狂った発想です。
本当に前世、織田信長な気がしてきました。父親は確かにサル顔だし。
まず0→5人なので、マネジメントもへったくれもないです。

スタッフ5名だった頃のみらいきって
一気に5人ですから、名前も覚えられませんし間違えます(クソ経営者)
そして、そんなクソ経営者の私は当たり前みたいな顔をして、新スタッフ5人に突然言い出すわけです。

年明け1月に、おしごとフェアをやりますので。
これが、親から自己肯定感高めに育てられた娘の末路です。
入ったばかりでも、5人いたら何とかなるやろと。
赤信号も、みんなで渡れば怖くないやろと。
なんやかんやで、自分ならできると思ってしまいがちなのです。
あと、これも「前世にすごい徳を積んだ人間なのではないか」と、割と本気で自分で思っている節があるのですが、割と無鉄砲なことばかりして瀕死状態に何度かなるものの、気づけばいつも周りが助けてくれています。
今まで出会ったすべての人たちにありがとうを言いたい!
これからも思う存分助けまくってくださいと伝えたい。
今日はおしごとフェアのお話ではないのでスルーしますが、これが一気に5人を雇用したときの話です。
今となれば笑い話ですが(スタートメンバーは誰一人笑わず、冷たい目で私を見るのでしょうが)これが私のはじめての雇用でした。
ただ、この雇用が成功で、今も5人中3人はみらいきってで働いてくれています。
採用や雇用に苦労される経営者は少なくないのですが、みらいきっての雇用が成功した秘訣はたった1つだけだと思っています。
経営者である私自身が、自分の言葉で発信を続けていたことです。
- どういう想いを持って会社を作ったのか
- どんな社会を作りたいのか
- どういう価値観を持っているのか
そういったものを発信していたからこそ、その発信に共感してくれた人たちが応募してくれたのだと思います。
組織づくりの第一歩としては、マネジメントを学ぶことよりも、リーダーシップを学ぶことよりも、
・なぜこの事業をしているか
をしっかり言語化できること。
・それが嘘偽りないこと
そして
・それを世間やスタッフに恥ずかしげもなく語れること
だと思います。
10人までは優秀な人を仲間に
「組織が10人になるまでは少数の優秀な人を仲間にせよ」という考え方は、スタートアップや新規事業の立ち上げにおいて極めて有効なセオリーです。
だからこそ、10人までの組織づくりにおいて大切なことは、優秀な人を仲間にする目利きと、剛腕で引っ張ってくる能力だと思います。
経営者同士の会話では、「社員が仕事できない」「社員がいうこと聞かない」「社員のせいで売り上げが上がらない」という、経営者の三大テンプレ愚痴があります。
少し話は外れますが、では「優秀な社員」とは何をもって優秀だというのでしょうか?
ここで思い出すのが、最近ある人から言われた「社長はえこひいきしなさい」という言葉です。
えこひいきと言うのは、例えば私の好きなグミを毎日持ってきてくれるから「好き!」というようなことではなく、ましてや社長の機嫌をとっておべっかを言うから優秀、というわけでもありません。
何をもって評価をするのか、自分自身が軸を知っておく必要があるということです。 自分の価値観や判断軸に則って、「私はこういう人を評価(えこひいき)しますよ」というものです。
会社の色は、経営者の判断軸によって変わります。
ちなみに私の評価・判断基準は
- 適切な報連相ができること
- 多数決ではなく、自分の責任でしっかり判断できること
- ミスをした時の初動は、人のせいではなく、まずはベクトルを自分に向けて内省できること
- 感情ではなく、結果と過程を見て判断すること
- 仕事が好きであること
- その仕事は何のためにあるのかを常に考えて行動できること
- 「無理、できない」ではなく「だったら、こうしてみよう」の発想を持てること
- 新しいことに面白さを見つけられること
- 切り替えが早いこと
- 性格の根っこの部分が、優しくて面白いこと
などです。
この判断軸が定まっていると、「会社にとって優秀な人」が入ってくるのではないかと思います。裏を返せば、判断軸によっては、会社にとって優秀でなくても、他の会社に入れば「優秀な人」になりうると思います。
経営者自身が、自分の価値観をしっかり表に出していると、会社にとって優秀な人材が入ってくるだけでなく、いざ、「この人優秀だから、みらいきってに引っ張ってきたい!」と思ったときに勇気を持って声をかけることができます。
「この会社に関わったら得をするかもしれない」と思わせられるからです。

とか何とか言いながら、ミスマッチはうちもありましたけどねー(どないやねん)
10人の壁
「社員10人の壁」なんていう言葉がありますが、これは組織が大きくなって、メンバーが10名を超えたあたりでぶつかる運営ハードルのことです。

今までは社長のパワープレイでなんとかなっていたことも、だんだんと通用しなくなってくる現象です。
みらいきっても最初は私一人だけで、営業、広報、経理、人事労務、実務をこなしていました。経理以外は、営業も広報も実務も好きな分野だったので一人でも楽しくこなせていました。ちなみに経理は嫌いすぎて、溜まった領収書の山を見て「すべて燃やしてやろうか」と思ったことは何度かあります。
スタッフが入社したことで、経理はこの人、広報はこの人、実務はこの人というように、自分の仕事を移譲していきました。
8人くらいまでは、毎月の請求書や採用に関わるすべて、そして案件管理や指示出しまでできていましたが、それ以上になると、どんどん目が行き届かなくなりますし、1つひとつの内容を把握するのは難しいなと感じるようになりました。
10人の壁にぶつかった時、本当に増えていくのは日々のタスクではありません。
経営を悩ませるのは「例外的な判断」の数々なのです。
- 優先すべき事柄が重なった際、どちらに舵を切るのか
- 目の前の顧客に対して、どこまで特別ルールを適用すべきか
- 一人ひとりのメンバーを、どんな物差しで評価していくのか
- 目標に届かなかった理由は、個人の実力不足か、それとも組織の欠陥か
要するに、唯一無二の正解がない「難しい決断」が、これでもかというほど押し寄せてくるわけです。
例を挙げると、私一人の時は顧客の要望に対して「まぁ良いか」という特別ルールが通用しました。 まぁ良いかというのは

「徹夜したら何とか自分でこなせるし」
「まぁ今回だけなら」
という、自分が実行運用する前提での「まぁ良いか」です。
「まぁ良いか」には判断基準がありません。強いていうなら「自分都合の判断」です。 ただ、組織となった場合、判断基準が言語化されていないと現場は決められません。
なので、判断基準が必要になってくるのです。
役員やリーダーがいても、いつまで経っても判断が社長頼りになっているのは、この判断基準がないからかもしれません。
接着剤となる判断基準とは「社長の価値観」です。 結局は、上記で挙げた、評価基準に起因するのかなとも思います。
10人の壁で現れる社長の忙しさは、あらゆる判断がトップに集まってしまう仕組みそのものに原因があるのです。 これこそが、組織が直面する「10人の壁」の正体かもしれません。
業務の標準化とマネジメント体制の構築
そして「10人の壁」を突破するために、避けては通れないのが業務の可視化、標準化です。
初手として欠かせないのは、誰が何をしているのか、どのような手順で行っているのかを明らかにすることです。
この作業の肝は、現場で踏ん張っているスタッフの声を拾いまくることだと思います。
みらいきっては、様々な会社の業務支援や運用支援を行っていますが、お客様のお話を多面的に聞いてみると、経営者視点と現場視点では意見が全く違うということに気づきます。
経営的な視点としては、

小さい業務になぜ2〜3人関わっているのかわからない。早く効率化してほしい、コストパフォーマンスを上げたい
というもの。 現場の視点としては、

日々の業務を行いながら効率化も進めるなんて難しい、業務をこなしているときに様々な小さい弊害があって、思うように進まない
というもの。
だいたいこんな感じが多いです。
経営者、しかも私のように創業経営者は割と厄介で、0から作ってきたという自負があるからなのか、「イヤイヤ、それくらいの仕事で大袈裟な」とか「そんなことに時間かかりすぎじゃない?!」とか思いがちです。
タチが悪いんですよ。私のような経営者は。滅びますよ。気をつけてください。
そういう場合、実際に手を動かしているスタッフの声にしっかり耳を傾けることが、実は突破口だったりします。
業務における「想像や理想」と「運用と現実」は相反することが多いのです。
実際やってみると確認作業に時間がかかるとか、外せない工程があるとか細かく色々あります。 組織が10人を超えたら、「自分もわからないことが出てきて当たり前。そんな時の判断基準はどこに持ってくるのか」を考え、まずは現場の声を信じることが大切だと思います。
とはいえ、現場にリーダーがいなかったり、いたとしても業務をこなした数、修羅場を潜り抜けてきた数が少ないと視点が偏りがちだったりします。 そもそも固定観念が強い傾向にあるリーダーだと柔軟な考え方ができずにいつまで経っても非効率が起きたり、現場のミスが減らないこともあります。
そんな時は、外部でヒアリングを行い、業務を可視化し効率化を進めることも大切です。
まとめ
立ち上げ期やベンチャーでは、人が辞めやすいというのは有名な話です。
制度も整っていない、 業務がコロコロ変わる 組織として成熟していないのに社長も忙しくて不在
色々な理由はありますが、スタッフ数が10名以下の苦労や楽しさもあれば、10人規模になった時の楽しさや苦労もあると思います。
20人規模にはその規模感の、100名規模にはその規模感の大変さがあると思います。
一人で始めた会社が、誰かと一緒に未来をつくる会社になっていく。
組織づくりは本当に大変ですが、それ以上に面白い。
だから私はこれからも、頑張って組織を作っていこうと思います。
おしまい!

