こんな風に、毎年手帳に目標た夢などを書くのは、誰でもあると思います。
では、自分だけのことではなく、家族の目標や夢などを書いたライフプランを計画したことはありますか?
10年後、20年後、どのように過ごしていたいですか?
主婦であれば、家族のことをやっぱり考えてしまいますよね。
今回は人生の計画を立てられるライフプランについて解説していきます。
ライフプランとは
Life planとは直訳すると「人生設計」です。人生設計を立てる上で考えるのは「ライフイベント」といわれる出来事です。
ライフイベントとは、進学、就職、結婚、出産など自分の意志でつかみとるものもありますが、自分の意志とは関係がないもの(家族の怪我や病気)などもあります。
厚生労働省の令和2年簡易生命表によると、男の平均寿命は 81.64 年、女の平均寿命は 87.74 年となり 前年と比較して男は 0.22 年、女は 0.30 年上回っています。
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構によれば、2007年に生まれた子どもたちの半分は107歳まで生きるという研究があります。
老後生活を具体的に考え始める中高年からでは、充実した老後プランを立てる準備期間が十分ではないという懸念が広がり、若年層にもライフプランを浸透させようという働きかけも積極的に現れてきています。
他にも若年層にむけて、文部科学省では46ページにわたる「高校生のためのライフプランニング」がPDFで配布されていますし、これからは若いうちからライフプランを考えることもとても大切になってくるでしょう。
ライフプランは老後になった時に考えればいいという時代は終わり、今は早ければ早いほど人生設計をたてるのがよい時代に変わりつつあります。
主婦のライフプランは家族に左右される?
家族との関係性の中で自分がどうありたいかということにポイントをおいて、ライフプランを考えていきます。
結婚し子供が生まれると、ライフイベントとしては、
- 出産(子供は何人?)
- 住宅購入(賃貸かマイホーム購入か)
- 教育費(私立なのか公立なのか)
- 老後の生活(子供が独立後の夫との生活)
などが主な項目ですが、いずれにしてもお金がかかりますよね。
家族のライフプランを計画することによって、将来的にどのくらいお金がかかるのかをシュミレーションすることができます。
ライフイベントによって、そのためにはどうすべきなのかがライフプランを立てるとわかってくるのです。
それによって、主婦であるご自身の生き方も、
- 専業主婦を続ける
- パートで働く
- 仕事に復帰する
などの選択肢が変わってきます。
例えば、子供を中学受験させてエスカレーター式の大学まである学校に通わせたいと思ったら、教育資金が莫大にかかるのです。(※後述の子供の教育費の項目をご覧ください)
そうなると専業主婦を続けるよりは、働くという選択肢になりますよね。
ライフプランを立てる前にまずは家計の収支を見直してみることから始めましょう。
家計収支を見直してみよう
ライフプランを立てる前にまずはお金のことを整理しましょう。
まずは長期的なお金の流れを確認します。
家計収支の見直しは、
- 貯金の見直し
- 子供の教育費
- 住宅費
- 車
- 将来の年金
といったことからでしょう。
それぞれの項目についてみていきます。
貯金の見直し
厚生労働省によれば、1世帯の貯金の平均額は下記のとおりです。
29歳以下 | 181,4 |
30〜39歳 | 515,9 |
40〜49歳 | 886,5 |
50〜59歳 | 1327,2 |
※単位:万円
参考:厚生労働省
この貯金額を目安にご自身のご家族の貯蓄額が多いか少ないかを考えるきっかけになり、家計の無駄を見直し、貯蓄に励めるかもしれません。
子供の教育費
子供の教育費は
- 子供が何人なのか
- 公立か私立に行くか
によって家族それぞれです。
厚生労働省の教育費等の総額をみてみましょう。
すべて公立 | 13,692 |
幼稚園だけ私立 | 14,282 |
高等学校だけ私立 | 15,192 |
幼稚園及び高等学校が私立 | 15,782 |
小学校だけ公立 | 18,168 |
※単位:千円
参考:厚生労働省「幼稚園4歳から高等学校(14年間)と大学までの教育費等の総額」
すべて公立と小学校だけ公立だと、447万6千円もの差が出てきます。
すべて公立に進んでくれれば家計も助かりますが、思うようにいかないのが子供の教育です。公立に行くにしても、受験前には塾や予備校などの学習費用も考えておかなければなりません。
住宅費
住宅は持ち家にするのか、賃貸にするのかによってかかる費用が変わってきます。
マイホームには購入費に加えて、毎年の固定資産税がかかりますし、メンテナンスは自分でやらなければなりません。住宅は一度購入したらそれきりではなく故障や劣化のメンテナンスもしていく必要があるでしょう。
また賃貸では、「引っ越し代」「敷金」「礼金」「仲介手数料」「更新費用」などもかかります。
一方、持ち家のメリットは、駅に近いなど地の利のいい人気なエリアの物件は住替えのときに高く売れる可能性があることです。
賃貸のメリットは、ご主人の転勤、子供の進学などの家族のスタイルによって気軽に住替えができるという点でしょう。
持ち家と賃貸のメリットやデメリットをよく検討して、住宅を選ぶことが重要です。
車
田舎に暮らす方には必須の車ですが、都会に暮らす方にはもしかしたら必要ないかもしれません。交通網が発達している都会では、その都度、タクシーを使ったほうが費用がかからないからです。
特に都心部では、駐車場代が高額になる場合が考えられますね。
ただしお子さんが突然の発熱で救急へかかることもあるので、お子さんが小さいときは車を所有し、大きくなったら旅行の時だけレンタカーにするという利用の仕方も念頭に置いておくと良いでしょう。
将来の年金
現在は65歳から国民年金がひとりにつき65,075円支給されますので、夫婦二人で130,150円は確実に支給されます。
ご主人が会社員なら、国民年金プラス下記の金額の厚生年金も支給されます。
令和3年度(月額) | |
国民年金(老齢基礎年金(満額)) | 65,075円 |
厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 220,496円 |
参考:日本年金機構
2018年4月には、財務省の財政制度分科会において「年金の支給開始年齢を65歳から68歳へと引き上げる」という提案がなされたという報道がありました。
超高齢化社会となり、今後も年金の支給開始年齢が引き上げられるのではないかという見方もあります。
ざっと家計の見直しをするだけでも、どうしたらいいのかを考えるきっかけになると思います。
家計の見直しには、FP協会の便利ツールがおすすめです。
家計を見直したら、実際にライフプランを作ってみましょう。
主婦の年代別ライフプランの作り方
ライフプランは「ノート書籍」「ネットのもの」などたくさんあります。
どれを使ったら良いのかは悩むところですが、まずはライフプランをつくることを始めることが重要です。ノートに書き出してみたり、ネットで検索して銀行などのライフプランシュミレーションを使うといいでしょう。
ライフプランを作るにあたり、年代別に気をつけるべきライフイベントをみていきましょう。
20代から30代
【20代から30代のライフイベント】
- 結婚(結婚資金、新生活準備費用(住居に関するもの))
- 出産(出産費用、育児費用)
- マイホーム購入(頭金、ローン)
- 車の購入(頭金、ローン)
- 家族旅行、実家・義理両親宅への帰省
20代から30代ではお子さんが生まれて家族が増えるケースが多く、ライフイベントは子供のことが増え育児費用がかかるでしょう。
子供が小さいファミリーは就学すると教育費がかかってきますが、子供が小さい頃は「育児費用」「住宅費用」「車の購入」などの費用が主にかかります。
40代
【40代のライフイベント】
- 教育費(受験)
- 老後資金の準備
- 家族旅行、実家・義理両親宅への帰省
40代は教育費がピークになります。大学入学前の受験の教育費、入学金、学費が重く家計にのしかかります。
教育費がピークの数年間の赤字(住宅費を考慮した場合)に備えて、住宅にかかる費用を支払いながらも貯蓄をしていくことが必要です。
教育資金がいつ、どれぐらい必要かがわかると、教育費以外のライフプランや収入も考慮して、
- 進学先を公立にする
- 祖父母に援助を頼む
- 学資保険
など、解決方法を探すことができます。
また持ち家の場合は、住宅ローンの総返済額を少なくすることが、老後生活資金を少しでも多く準備することにつながります。
50代
【50代のライフイベント】
- 子どもの独立(子供の結婚費用)
- 老後資金の準備
- リフォーム
- 親の介護
50代のリタイア前のライフプランは、老後のことが中心です。50代は定年前の10年にあたり、この時期にしっかりと老後の資金を準備しておく必要があります。
また仕事をしていれば、退職までにいくら貯蓄できるのか計画をたてるのも大事でしょう。
この時期は子供が独立して教育費はかからなくなりますが、住宅が老朽化してリフォームや建て替え、住替えなどが検討されます。
まとめ ライフプランを作成すると主婦の人生設計が具体的に
ライフプランを作成してみると、ライフプランでお金がかかるのは、
- 子供の教育資金
- 住宅費
- 老後の費用
であることがわかりました。
- 子供が何歳の時にいくら必要なのか
- 住宅は持ち家にするべきか、賃貸にすべきか、住み替えするべきか
- 老後のために貯蓄をどうするべきなのか
などが見えてくるのではないでしょうか?
それによって、主婦であるご自身が、家族のために働いた方がいいのかどうかも考える必要がでてきそうです。
育児に専念する時期が過ぎたら、働きに出る、副業を始める、投資をするなどの選択肢もあります。
ライフプランは人生の設計図です。
ライフプランを作成すると具体的な人生設計が見えてくるので将来に備えることができます。ライフプランは一度立てたら終わりではなく、ライフステージごとに見直す必要もあります。
主婦のライフプランの目的は家族が幸せになることです!主婦のライフプランをぜひ始めてみてくださいね。
おっしまーい!