企業はブランクを敬遠する傾向にあります。
専業主婦になってしまうと社会との関わりが減ってしまい、「専業主婦である期間」を、企業ではどうしてもブランクとして捉えてしまうのです。
でも独身のときの様に働いて社会の役に立ちたい!
こんな気持ちをお持ちの専業主婦の方に向けて、専業主婦の働き方を考えてみたいと思います。
世の中の専業主婦=ブランクという考え方は、なかなか変わらないかもしれません。
しかし諦めることなく、自分がそのブランクをどう捉え向き合うかによって、変わることもあります。
働きたいというお気持ちを持っている専業主婦の方、ぜひ一歩進んでみませんか?
専業主婦はどのくらいいる?
厚生労働省によれば、専業主婦世帯と共働き世帯の推移は、昭和55年と平成26年を比較すると逆転して共働き世帯が増えています。短時間労働者の推移も右肩上がりです。
労働力調査基本集計2020年によれば、専業主婦の世帯数は603万世帯(夫が雇用者、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者))です。共働き世帯数は1,267万世帯(夫、妻ともに雇用者)なのでほぼその半分になります。
世の中には600万世帯の専業主婦が存在しています。
共働きといっても、このデータには会社員のバリキャリだけではなく、パートや非正規の仕事をしている主婦も含まれています。
なぜ共働き世帯が倍増したのか
上記の昭和55年と平成26年の専業主婦世代と共働き世代が逆転した背景には、
- 「これからの世の中は男性も女性も働き、ともに育児をするのが当たり前」
- 「ダブルインカム(一つの世帯で収入源が2つある)でないと暮らしが成り立たない」
- 「離婚となった時のリスク回避」
などのさまざまな理由があります。
数十年前までは、女性は働いていても「結婚」「出産」で退職するのが当たり前でしたが、1972年に施行された男女雇用機会均等法によって女性も性差なく仕事を続けられるようになりました。
男女雇用機会均等法とは
男女雇用機会均等法は、職場における男女の均等取扱い等を規定した法律です。
参考:厚生労働省
とはいっても、まだまだ男性に有利な社会。
育児をするのは女性の役割という考え方から、結婚や出産を機に仕事を辞める、パートナーの転勤のため仕事を辞めるなど女性が専業主婦になる方は多いでしょう。
共働きと言っても、パートから正社員まで幅広く選択肢があるので働き方の幅は広がりつつありますし、最近では専業主婦の中では在宅ワークが急速に身近になりつつあります。
子育てと仕事の両立を希望しながらも、現実的には専業主婦の子供が保育園に入る道は狭き門です。
2016年の「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログから5年たった今もまだ待機児童問題は解決していません。
それでも働きたいと考える専業主婦はどうしたらいいのでしょうか?
専業主婦が働きたいと思う理由を明確に
まずは仕事をしたい理由を明確にしましょう。
専業主婦が働きたいと思う理由は、
- 子供がやりたいと思うことをやらせてあげられる費用が欲しい
- 夫の給料だけでは生活が厳しい
- 住宅や車などのローンの返済のため
- 社会に取り残されている気がするし、社会と繋がりを持ちたい
- 自分で稼いだお金を気兼ねなく使いたい
- 老後の貯金のため
などさまざまかもしれません。
働きたい理由が収入のためなのか、それとも生きがいになる社会との関わりなのかにもよって、選ぶ仕事も違ってきます。
専業主婦の働きたいと思う理由の多くは、子供がやりたいことをやらせてあげたい、そのためにはお金を稼いでおきたいという気持ちと、社会と繋がらない孤独感への不安ではないでしょうか?
やはり家族以外の誰かの役にも立ちたいし、結婚前のように社会と繋がって仕事をしたいと思うのは当然のことです。
「小さい子供がいるんだから無理。」
「ブランクがあるからきっと雇ってもらえない。」
「年齢制限できっと書類で落とされる。」
と、心配なことも多いでしょう。でも働きたいと思うのであれば一歩踏み出してみませんか?
ここからは、お子さんの年代別の仕事の選び方のポイントを紹介します。
子供の年代による仕事の選び方
専業主婦はどうしても家族のことを優先にしてしまいがち。
「子供を預かってくれるところがないから働けない」という意識をから、預かってもらわなくても働けるという意識に変えて考えてみると視野が広がり楽になります。
ここではお子さんの年代ごとに専業主婦の仕事の選び方についてをみていきましょう。
子供が幼児の頃は準備期間
お子さんが3歳までの幼児では、保育園に預けられなければ外に働きにいくことはかなり難しいですよね。
そんなときは、しっかりと基礎固めしましょう。
- どんな仕事をしていきたいか調べる
- そのための資格取得の勉強をする
- パソコンを使えない人はパソコンを使えるように勉強する
このようなことは、お子さんが小さくても家で自主的にすることができます。余裕がある人は育児の合間にネットでできる仕事にチャレンジすることも可能です。
子供が幼稚園入園時は仕事の慣らし
子供が幼稚園に通う期間は、基本的には3歳から小学校入学前の6歳までです。(幼稚園によっては2年制、満2歳児クラスを設けている園もあります)。
集団生活が始まると病気をたくさんもらってきて、水ぼうそうやおたふくなどの感染症にもかかりやすくなります。
お母さんもお子さんから菌をもらい体調を崩しやすいのもこの時期ですので、この時期はあまり無理をせず、少しづつ働くことに慣れていくことをおすすめします。
- パート(幼稚園通園の時間で終わる仕事や、土日だけ、お中元などの季節ワーク)
- 在宅ワーク(記事書き、デザインワーク、データ集計、オンライン秘書など自分の経験に併せた仕事を自分の時間に併せてできるもの)
パートは無理をせず、たくさんの方が働く場所(コールセンターなど)を選ぶことがポイント。理由は、少人数のパートを選ぶと、お子さんの体調不良で休みづらい傾向があるからです。
またパートナーが土日休みなら、土日のみのパートも選択肢の一つです。パートナーに子供をみてもらえるので精神的にも安心ですし、土日は仕事をやりたがる人が少ないので求人が多く仕事を得やすい傾向にあります。
子供が小学校へ入学したらステップアップ
子供が小学校へ通う期間は、満6歳から満12歳までです。
小学生には学童があり、働いていると放課後は学童に入ることができます。
学童保育とは
共働き・一人親の小学生の放課後(土曜日、春・夏・冬休み等の学校休業中は一日)の 生活を継続的に保障することを通して、親の仕事と子育ての両立支援を保障する場所のこと。
学童保育は、年間を通して、同じ子どもたちが指導員とともに、長い時間を かけてお互いにわかり合いながら共に生活をつくっていくところです。
参考:厚生労働省
学童保育は小一の壁をなくす役割も果たしています。「小一の壁」とは、「小学校一年生の一学期の期間は、授業が午前中に終わる」という子どもがすぐ帰ってくる時期のことを言います。
東京都福祉保健局による東京の児童館・学童クラブ事業実施状況によると、学童の待機児童が0人の区は、千代田区、江東区、品川区、渋谷区、荒川区、板橋区、江戸川区です。
もし引っ越しの予定があれば学童に入りたい需要と学童クラブの供給バランスが整っている場を調べておくのも大切なことです。
小学生高学年になれば、仕事の日数を増やしたりすることも可能になりますので、少しづつ働き方をステップアップしていけるといいですよね。
子供が中学入学とともに本格始動
子供が中学へ通う期間は13歳から満15歳です。
中学生になると子供の手もだいぶかからなくなるので、自分の時間も増えます。本格的にお仕事をする時期にぴったりです。
資格が必要な仕事にチャレンジしてみたり、時給のいい派遣で働きながら紹介予定派遣を目指すなどを検討してみるのも良いですね^^
とくに紹介派遣は、社員になる前に仕事場の人間関係を知ることができるので、ワーキングママに優しい会社なのか見極めることもできます。
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは、派遣期間(最長6ヶ月)終了後、本人と派遣先企業双方合意のもとに社員となる働き方です。 一定期間「派遣」で働くことで実際の仕事内容や職場を見極められ、未経験でも希望の仕事に就けるチャンスがあります。
参考:テンプスタッフ
仕事選びの優先順位を考えてみよう
ここまで、子供の年代による仕事の選び方についてご紹介してきました。しかし、専業主婦と一括りにいっても子供の人数、実家との距離や関係、ライフスタイルや思考は、人それぞれです。
仕事選びでは、自分にとって何を重要視するのか?自分にとっての優先順位は何なのか?も、あわせて考えてみましょう。
仕事と家庭の両立を重視するのであれば、勤務地やシフトの融通、勤務時間など利便性に絞った仕事探しがポイントとなります。
やりたいことが明確で希望の職業や夢があるのなら、主婦だからと諦めることなく、自立へ向けたキャリアを、専業主婦の期間から考え行動するのも良いですね。
働き方や仕事選びの選択肢は、想像以上に多いものです。自分にとって「これは外せない」というポイントを考えてみてくださいね。
- 勤務地と通勤時間
- シフトは融通がきくか
- 勤務時間
- 収入
- 職場環境(女性が多い・平均年齢など)
- 自分の強みやスキルを活かした職業
- チャレンジしたい業界がある
- 正社員・派遣社員・パート・在宅ワークなどのワークスタイル
- 短期的か長期的か など
専業主婦の期間が長く、働くことに不安がある場合は自治体やハローワークなどでキャリアカウンセリングを受けることもできますし、マザーズハローワークなど主婦のニーズに合わせた支援もあります。
「働きたい」と思った気持ちをまずは大切にして、前向きに取り組んでくださいね。
まとめ 専業主婦の仕事探し、選び方
専業主婦の仕事の選び方についておすすめポイントをご紹介してきました。
実際の仕事を獲得できるポイントは、専業主婦であっても働く意志があって、どんな行動をしてきたかということに関してアピールできるかどうかです。
企業はブランクを避ける傾向にあります。
たとえ働かなくても育児期間に、
- 難関資格を取得した
- 在宅ワークをしていた
- PCを使える資格を取得(てマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)など)
- 土日だけパート、季節労働をしていた
など、働く意志があり努力してきたということをアピールすることで、ブランクに見られることを軽減できるかもしれません。
お子さんとの関係を考えながら、自分はどのような働き方をしたいかが、仕事の選び方のポイントになりそうですね!
おっしまーい^^