広報・PR

広報とPRと広告の違いとは?それぞれの役割を理解しよう!

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SNSやインターネットメディアが発展し、誰しもが情報を発信できる時代になりました。

自社の魅力を伝えるべく、情報発信に力を入れる企業が増えています。

 

そこで重要視されるのが広報とPRと広告の役割です。しかしながら広報とPRと広告、どんな違いがあるのかご存知ですか?

 

今回は「広報・PR・広告の違いがわからない!」とお悩みの方にむけて、それぞれの役割と違いについて解説いたします。

  • そもそも広報・PR・広告とは?
  • 広報とPRと広告の違いとは?
  • 広報・PR・広告の違いをシミュレーション

そもそも広報・PR・広告とは?

まずは広報・PR・広告、それぞれの役割について順に解説していきましょう。

広報とは

広報は自社からの情報発信を通じて、自社の利害関係者(ステークホルダーといいます)との良好な関係作りを行います。

利害関係者というと難しく感じますが、消費者をはじめ、株主、行政機関、従業員など、自社に関わる全ての人たちをイメージしてもらえば良いでしょう。

(出典:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

広報の仕事は、メディアをはじめとした利害関係者に自社の情報を発信し、良好な関係作りを行っていきます。

具体的にはどんな仕事内容があるのか、例を紹介します。

広報の仕事内容(例)

  • プレスリリース(伝えたい情報をまとめた文書)の作成
  • 取材への対応
  • SNSやブログの更新
  • 自社の商品をアピールするイベントの企画
殿
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テレビで「話題の新商品発売!」というニュースを見たことはないですか?
まさお
まさお
よく見る!

これはプレスリリースを見たテレビメディアが、視聴者に届けるべき内容だと判断し、第三者の目線で紹介したものです。

第三者であるメディア(報道関係者)から伝えられた情報は、信頼性も高く魅力的な情報として視聴者に広まります。しかし紹介されるかどうかは、プレスリリースを見たメディアの判断次第。メディアの目に留まるような、魅力的なプレスリリースを作成する必要があります。

 

プレスリリースをはじめ、広報の情報発信には多額の費用がかからない点にも注目です。A4文書一枚のプレスリリースでも、メディアに取り上げられれば、大きな宣伝効果が期待できるでしょう。

 

なお広報は、ポジティブな情報だけ発信するわけではありません。

重大なトラブルの発生時に「このような対応をしているので安心してください」と、取引先や消費者へ伝えるリスクマネジメント対応も、広報の大切な仕事のひとつです。

このように広報は企業の顔として、情報発信を通じて利害関係者との良好な関係作りを行っています。

PRとは

PRとはパブリックリレーションズ(Public Relations)の略です。

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会によると、1969年に加固三郎氏により以下のとおり定義されています。

PRとは、公衆の理解と支持を得るために、企業または組織体が、自己の目指す方向と誠意を、あらゆる表現手段を通じて伝え、説得し、また、同時に自己匡正(きょうせい)をはかる、継続的な対話関係である。自己の目指す方向は、公衆の利益に奉仕する精神の上に立っていなければならず、また、現実にそれを実行する活動を伴わなければならない。

(引用元:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

PRとは簡単にいうと、自社に関わる全ての人と行うコミュニケーション活動を指す言葉です。

「なんだか広報の仕事と一緒じゃない?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。それもそのはず、広報とPRはほぼ同一のものとして扱われることが多い役割です。

 

あえて広報とPRの違いを考えるとすれば、以下の点があげられます。

  • 広報:良い関係作りのための、自社からの一方的な情報発信
  • PR:良い関係作りのための、双方向のコミュニケーション

このように情報が流れる方向から、広報とPRを分けて考えることもできるわけですね。

 

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「基本的には広報=PRと考えられているが、企業によっては違う場合もある」と認識しておけば良いでしょう。

 

双方向のコミュニケーションであるPRの活動は多岐に渡り、SNSでの消費者との交流や、社会情勢などの情報収集なども含まれます。広報と広聴を兼ね合わせた、企業が行うコミュニケーション活動全般が、PRの役割だといえるでしょう。

なおPRの活動についても、広報と同様に多額の費用はかからないとされています。

しかしながら社内担当者は多忙な業務で手が回らないことも多く、中にはSNSの運用をはじめとしたPR業務全般を外注する企業が増えているんです。

これからは少し、様子が変わってくるかもしれませんね。

広告とは

広告とは、企業が広告会社にお金を払って広告枠を買い、商品やサービスを宣伝する方法です。

 

テレビCMや新聞広告、駅に貼られているポスターをイメージしていただければ良いでしょう。インターネットが普及した現代では、Webサイトやアプリ上での広告も多く用いられるようになりました。

 

広告には、

  • ポスターやCMなどの広告制作費用
  • タレントなどのキャスティング費用
  • 広告枠の購入費用

など、制作のための費用がかかります。前述の広報やPRに比べると、多額の費用が必要です。

しかしながら広告は企業が主体的に制作するため、自社が意図するようにコンテンツの内容をコントロールできます。

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メディアに情報が取り上げられるか不確定な広報やPRと比べると、広告には費用がかかるものの、自社の意図する内容を100%伝えるコンテンツが作れるメリットがありますね。

広報とPRと広告の違いとは?

ここまで広報とPRと広告、それぞれの役割についてお伝えいたしました。

役割が分かったところで、それぞれの違いについて確認してみましょう。

広報 PR 広告
費用 基本的には少なめ 多額の費用が必要
役割 情報発信を通じた、利害関係者との良い関係作り

※一方的な情報発信

情報発信を通じた、利害関係者との良い関係作り

※双方向コミュニケーション

商品やサービスの宣伝
メリット メディアに情報が取り上げられると、宣伝効果が高い 自社で宣伝内容をコントロールできる
デメリット 情報の受け手主体になるため、メディアに取り上げられないと反応が薄い 制作に費用も時間もかかる

 

広報とPRと広告の違いを大きくまとめると、以下の4つに集約されます。

  • 広報・PRは、ほぼ同一の活動として認識されている。
  • 広告は宣伝するための方法で、広報・PRとは別物である。
  • 広報・PRの情報発信は基本的に少ない費用であるのに対し、広告には多額の費用がかかる。
  • 広報・PRの情報発信は受け手主体のためコントロールができないが、広告の内容はコントロールできる。

広報とPRは情報発信活動であるのに対し、広告は宣伝のための制作活動であるといえるでしょう。

広報・PR・広告の違いをシミュレーションで感じてみよう

ここまで、広報とPRと広告について解説してきました。

ここからは新商品の発売を取り巻く、広報・PR・広告それぞれの役割をシミュレーションしてみましょう。

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より鮮明に違いをイメージできるはずです。

 

シミュレーションに使う商品は、ある企業がかねてから企画していたチョコレート。商品の概要は以下のとおりです。

  • 画期的なチョコレート「斬新チョコ」の発売
  • 味はソーダ・レモン・カレー
  • 若い層にアピールしたい

さて、広報・PR・広告は、どういった活動をするのでしょうか。

広報の活動

自社の一大プロジェクトである、「斬新チョコ」の販売です。

 

ニュース素材として必要な情報をまとめた文書、プレスリリースを作成してメディア各社にCM制作動画とともに配信します。

プレスリリース概要

この度、かねてから開発していた画期的なチョコレート「斬新チョコ」を新発売する。これまでの概念を覆すチョコレートである。

味はソーダ・レモン・カレーの3種。一度食べたら忘れられない味。試食した若者の98%がおいしいと答えている。

CMには若者に絶大な人気を誇るタレント○○さんを起用。CM制作秘話もホームページにて公開中。

プレスリリースはメディアに取り上げられてこそ、情報を広く伝える効果があります。

斬新チョコの魅力はもちろんのこと、CMに人気タレントの起用や動画の提供をアピールし、話題のニュースとしてメディアに取り上げられるような工夫が必要です。

PRの活動

今回は双方向コミュニケーションを取る担当がPRだとしましょう。SNSで以下の投稿を行います。

新発売の斬新チョコ!人気タレント○○さんもお気入り♪

あなたのお気に入りはどれかな?

#斬新チョコはソーダ好き

#斬新チョコはレモン好き

#斬新チョコはカレー好き

のハッシュタグをつけて写真を投稿してね。素敵な写真は紹介しちゃうかも!

SNSへの投稿は、ユーザーによる情報の拡散を狙いたいもの。

 

上記の投稿を見て「紹介されたい!」と考えたユーザーが、ハッシュタグや商品名をつけて写真を投稿します。そうするとその投稿を見た別のユーザーが、更なる購入者になり投稿を広げてくれるかもしれません。

まさお
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SNSのひとつの投稿で、情報の拡散を促すんだね。

さらにハッシュタグをつけたユーザーの投稿に、企業がコメントを返せば「この企業は消費者の投稿を見てくれている!」と好印象を与える効果も期待できます。企業イメージの向上になるとも考えられますね。

 

SNSが浸透した現代、企業と消費者の位置は随分と近くなりました。SNSという社会に公開された場所でのコミュニケーションは、企業イメージ向上にもつながる大切な活動だといえます。

広告の活動

続いて、広告についてイメージしてみましょう。

このチョコは若い世代にアピールしたいので、CM制作会社へテレビとYou Tube用にCMの制作を依頼します。

 

ターゲットである若者に「食べてみたい!」と訴求できるようなCMを企画し、多くの打ち合わせを経て広告の制作を行います。予算をかけた人気タレント○○さんの起用も、若者へのアピールを狙ったものです。

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話題のタレントを起用したCMをもとに、各メディアへのプレスリリースやSNSの投稿画像を作成し、広報・PRの効果を高めます。

文字だけの情報よりも、画像や映像のコンテンツの方がインパクトもありますよね。

完成したCMは、発売日に多く放送するようコントロール。ニュースとして取り上げられるのが分かっている場合は、その時間帯を狙うのも良いでしょう。

 

このように、ひとつの新商品ではありますが広報・PR・広告と多角的に活動を行うことで、絶大なる相乗効果が期待できると考えられます。

まとめ:広報・PR・広告は進化し続ける

インターネットやSNSの発展により、あらゆる人や企業が情報発信できる時代になりました。

情報発信が気軽になったがために、トラブルへの対応が後手にまわり、炎上してしまうという危うい面も見られます。今まで以上に広報・PRの役割が重要になるでしょう。

 

もちろん広告についても、従来からあったテレビCMや新聞広告だけでなく、Web広告やインフルエンサーによるPR広告といった新しい広告も登場しています。情報発信だけではなく、業界の動向を知る情報収集も大切な時代になってきたと感じますね。

 

それぞれの違いを理解し、多角的に自社の魅力を発信していくことが、今後必要となっていくと考えられるのではないでしょうか。

 

おっしまーい^^