文章を書く仕事には、たくさんの種類があります。ぱっと思いつくのは記者や作家ですが、文章力を求められる仕事は、ほかにも色々とあるのです。
この記事では、文章を書く仕事を10種類、文章に関連する仕事を4種類を紹介します。
文章を書く仕事をしている人は、文章力と自分の強みをかけ合わせて価値を生み出している人が多いです。
さらに、文章を書く仕事に資格はいるのか、どのようにして仕事を見つけるのかについても解説しています。
文章を書く仕事にはどんなものがある?
ここでは、文章を書く仕事を一挙に10種類ご紹介します。
- 記者(ライター)
- Webライター
- コラムニスト
- ブックライター
- テクニカルライター
- 翻訳家
- コピーライター
- 作家
- シナリオライター(脚本家、放送作家)
- ブロガー
それぞれの仕事内容について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
記者(ライター)
取材をもとに、新聞や雑誌の記事を書くのが記者(ライター)です。
記者というと事件を伝える人のイメージが強いですが、ビジネスや経済、芸能、グルメ、ファッションなど、求められるジャンルはさまざま。取材をしたり資料を集めたりなどの、記事を書く前の情報を収集する能力が非常に大切です。
また、記者のなかでも「ルポライター」「ジャーナリスト」という肩書の人もいます。2つの違いは次のとおり。
- ルポライター:取材を通して、事件や社会的問題の真実を伝える
- ジャーナリスト:時事問題を題材に、自分の主張を伝える
ルポライターは事実を公平に伝える記者、ジャーナリストは個人的見解を主張する記者という違いがあります。
Webライター
Webライターは、その名のとおりWebメディアに掲載される記事を中心に執筆する職種です。そのため、SEO(検索エンジン最適化)という、検索結果で上位表示されるための知識が必要とされます。
新聞や雑誌などの紙媒体のライターは取材をもとに記事を作成しますが、Webライターはインターネットや書籍などで情報を集めて記事を作成することがほとんど。在宅で完結することが多いため、副業をしたい人や主婦に人気のある仕事です。
コラムニスト
コラムニストは、新聞や雑誌に寄稿する職種のことです。身の回りの出来事や、世の中の関心が強い物事を独自の視点で分析し、評論します。
コラムだけを書いて生計を立てている人は少数派です。他に本職があり、その本職を活かしたコラムを書いているという人がほとんどです。
コラムの原稿料は、知名度によって大きく変わることが多いです。
ブックライター
文章を書くことを本業としていない人が書籍を出版する場合、その人の思いや考えをくみ取って代わりに文章にまとめるライターもいます。このライターのことを、「ブックライター」と言います。
特に多忙な芸能人やスポーツ選手、実業家などが書籍を出版するさいは、ブックライターが雇われることが多いです。
ブックライターとしての報酬は、書籍が売れたときの印税の一部であることが一般的です。
テクニカルライター
取扱説明書やマニュアルの文章を作成する人のことを、テクニカルライターと言います。
テクニカルライターは、端的で分かりやすい、正確な文章を書く能力が必要です。文章力だけでなく、作成する文書の専門的な知識を持っていることも求められます。
また、テクニカルライターの中でも、外国語で作成された取扱説明書などを翻訳するものを「技術翻訳」と呼びます。
翻訳家
テクニカルライターの部分で「技術翻訳」を紹介しましたが、その他にも翻訳には3つの種類があります。
- 実務翻訳
- 文芸翻訳
- 映像翻訳
実務翻訳は、法律関係や貿易、特許など企業内で翻訳に関連する仕事を行うことがメインです。文芸翻訳は文学作品の翻訳を、映像翻訳は洋画や海外ドラマなどの翻訳を行います。
翻訳家になるためには、ネイティブと遜色ないくらいに言語を理解できることが大前提です。特に文芸翻訳は、翻訳する文章の背景にある文化や国民性などを理解し、日本語で作者の文章の雰囲気を表現するというレベルの高い仕事です。
コピーライター
コピーライターは、宣伝のためのキャッチコピーを考える仕事です。
- マクドナルド:i’m lovin’ it
- ロッテ:お口の恋人
- かっぱえびせん:やめられない、とまらない など
ライターという名前がついてはいますが、実際には文章力よりもマーケティング力や発想力が大事な職種だと言えるでしょう。広告代理店に勤務する、フリーで活動するという働き方があります。
作家
小説家などの作家を目指す人は多いものの、生計を立てられるだけの収入を得られる人は一握り。
記者とは違った、芸術としての文章力や、ストーリーを考える力が重要です。
作家としてデビューするには、出版社が企画する新人賞に応募するのが王道です。近年では、Web上に公開した小説が人気作品になり、デビューに至るケースもあります。
書籍が販売されると、書籍代の一部(多くは10%)が印税として著者に支払われます。これが、作家の主な収入源になります。
シナリオライター(脚本家、放送作家)
テレビドラマや舞台、アニメなどの脚本を作る人をシナリオライター(脚本家、放送作家)といいます。
文章を書くことがメインではなく、ストーリーの展開の仕方、見せ方で視聴者を引き込ませるセンスが大切です。文章力以上に創造力が求められる仕事と言えるでしょう。
映像作品が好きで、文章を書く仕事にたずさわりたい人にはぴったりの職種です。
ブロガー
自らブログを運営し、広告費で収入を得る人のことをブロガーと言います。また、ブログ内で紹介した商品を読者が購入すると、紹介料が入るアフィリエイトという仕組みでも収入を得られます。
ブログは誰でも手軽に始められますが、収益化までに時間がかかり、うまく収入を得られずやめていく人も多いのが現状です。
文章に関わる仕事もある
文章を書くことがメインではないものの、文章に大きく関わっていく仕事もあります。
人によっては、自分自身で文章を書くよりも、「文章に携わる仕事」という大きなくくりが合っているかもしれません。ここでは、文章に関わる仕事を4つ紹介します。
- 編集者
- 校正士
- 校閲者
- 広報担当
編集者
マンガ、雑誌、書籍など企画のスタートから完成まで指揮を執るのが、編集者の仕事です。印刷物はさまざまなものがありますが、たいていのものには編集者の名前が入っています。
印刷物だけでなく規模の大きなWebメディアにも編集者がおり、記事の進捗状況を確認したりライターの管理を行ったりするのが主な仕事です。
作家やライターとのやりとりだけではなく、出版やWebメディアに関わるさまざまな人とのコミュニケーションを取って仕事の制作を進めていきます。
主な仕事の場所は、出版社や編集プロダクションです。
校正士
校正士は、文章の品質を上げる役割を担っています。原稿ができ上がったら、次のような観点からチェックします。
- 誤字脱字はないか
- 文法の誤りはないか
- 表記のゆれはないか
さらに、原稿と印刷物で違いがないかを隅々までチェックするのも大切な仕事です。
校正士は、主に出版社や編集プロダクションでの仕事になります。
校閲者
校正士が文章そのものをチェックするのに対し、校閲者は文章の内容に不自然な点がないかを確認するのが仕事です。
- データに誤りがないか
- 事実関係に間違いはないか
- 不適切な表現がないか
といったことを、チェックしていきます。
校正士と同様に、仕事の場は出版社や編集プロダクションが主です。
広報担当
広報担当は、自社商品や企業イメージをPRする仕事です。
具体的には、プレスリリース(自社の取り組みなどをまとめたもの)を発行したり、メディアから取材の申込みがあれば対応したりします。
広報担当になるには、企業内の広報部に所属するか、業務委託で広報の仕事を請け負います。
文章を書く仕事に就くために資格は必要?
文章を書く仕事に就くために、特別な資格は必要ありません。
もちろん、翻訳家であれば高レベルの語学力が必要ですし、専門性を求められる分野では資格を所有している人が読者からの信頼を得やすいです(法律、医療、教育など)。
ただ、文章に関わる世界で最も求められるのは「実績」です。特に企業に所属せずフリーでの仕事を考えているなら、実績は履歴書代わりになるくらい大切なものです。
文章を書く仕事の見つけ方
文章を書く仕事に就くには、2通りの方法があります。
- 出版社や新聞社など企業に就職する
- フリーとして仕事をとる
企業で実績を積んだあと、さらに活躍の場を広げるためにフリーに転向する人も多いです。
ただ、出版社などの求人は、大卒を条件にしている企業が大半を占めます。学歴などの条件で就職が難しい場合は、最初からフリーで活動していくことも可能ですよ。
フリーで仕事をしたい場合は、クラウドソーシングなどで求人を探してみるといいでしょう。
まとめ:文章を書く仕事はさまざま!自分に合うものを探してみよう
文章を書く仕事や、文章に関連する仕事はたくさんの種類があることをお伝えしました。職種によって、求められる文章の種類や能力は大きく変わってきます。
もしかすると、今は漠然と「文章に関わる仕事をしたい」とお考えかもしれませんね。ですが文章の仕事をするには、文章力と自分の長所をかけ合わせてどんな価値を生み出せるか、ということを考えるのもとても大切です。
「自分の強み」を文章の仕事に活かしていくことを、ぜひ考えてみてくださいね。
おっしまーい^^