主婦が将来のキャリアを考えたとき、不安や希望など、さまざまなことを思うものです。
上記のようにお悩みの主婦の方、将来のキャリアのために資格を検討してみませんか?
今回は以下について解説しています。
- 再就職に有利な資格
- 今の暮らしから将来の独立起業に役立つ資格
- 資格取得のメリットやデメリット
- 活用したい制度
主婦の再就職に有利な資格5個
まずは、主婦の将来の再就職に有利な資格を5つ紹介します。
医療事務
必ず資格がいる仕事ではありませんが、医療事務には複雑な医療費の計算や電子カルテの入力など専門知識が必要な業務が多くあるため、あらかじめ資格の勉強しておくに損はありません。
またニチイ学館などの病院と契約している一部スクールでは、資格取得後の仕事紹介までも行ってくれることもあり、あなたの「働きたい!」に答えてくれる資格であるといえますね。パートや派遣など働き方を選べるところも、主婦にとって嬉しいポイントではないでしょうか。
ひと言で医療事務といっても、何種類か資格があります。今回はもっとも受験者数の多い、医療事務技能審査試験を例として概要を紹介します。
資格名 | 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) |
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公式サイト | 一般財団法人 日本医療教育財団 |
資格の概要 | 医療機関等における受付業務、診療報酬請求事務業務に関する職業能力を審査する |
受験資格 | なし |
受験料 | 7,700円(税込) |
試験日程 | 年12回(医科)/年6回(歯科) |
試験実施方法 | 在宅試験 |
合格率 | 約7割程度といわれている |
介護職員初任者研修
深刻な人材不足だといわれる介護業界。求人数も多く、ブランクがある主婦にも再就職がしやすいといわれていますね。そんな介護業界で仕事をするためには、介護職員初任者研修の資格をおすすめします。
介護職員初任者研修は、基本的な介護業務を行えるようになることを目的としている資格です。
2013年にホームヘルパー2級から、介護職員初任者研修という名称に変更になりました。
資格とはいえ試験を受ければ良いわけではなく、介護職員初任者研修の講座があるスクールへの通学が必要です。130時間の受講カリキュラムが定められており、1ヵ月で取得する最短コースや、通信と通学を組み合わせてじっくり学習を進めるコースなど、受講する人のライフスタイルに合わせたさまざまな講座が開講されています。
講座受講費用は4万円~8万円と幅がありますが、急な欠席時の振り替えの有無など、あなたのライフスタイルに合う通いやすいスクールでの受講がおすすめですよ。
先述の医療事務と同様に、ニチイ学館などの介護施設と契約している一部スクールでは、資格取得後の仕事紹介までも行ってくれることもあります。なんと紹介された施設に就業すれば、資格取得費用をキャッシュバックしてくれることも。スクール選びの際は、頭に置いておきましょう。
資格名 | 介護職員初任者研修 |
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公式サイト | 厚生労働省|介護職員・介護支援専門員 |
資格の概要 | 130時間のカリキュラムを受講し、基本的な介護業務を行える知識を取得する |
受講資格 | なし |
受講費用 | スクールにより異なる(4~8万円程度) |
試験日程 | 随時 |
試験実施方法 | スクールにて |
合格率 | 約9割程度といわれている |
保育士
介護業界とともに、人材不足が叫ばれるのが保育士の業界です。
残業が多いイメージがありますが、
- ピークタイムである9時-16時の勤務
- 幼稚園の夕方預かりのみの勤務
など、短時間パートの求人も多く、あなたのライフスタイルに合わせて働ける利点もあります。
もちろん「子育ての経験を生かして、正社員としてバリバリ働きたい!」という方にも、保育士の仕事はおすすめですよ。
そんな保育士として働くには、国家資格である保育士の資格が必要です。保育士の資格受験のためには、短大卒以上や実務経験などの受験資格を満たす必要がありますので、下記表にてご確認ください。
大学・短大・専門学校(*)卒業 | 受験資格あり。 |
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大学・短大・専門学校(*)在学中 | 学年や取得単位数によって異なる。 |
高等学校卒業 | 平成3年3月31日以前の卒業者は受験資格あり。 以降の卒業者は、規定の実務経験が必要。 ≪実務経験≫児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上児童の保護に従事した経験がある |
中学校卒業 | 規定の実務経験が必要。 ≪実務経験≫児童福祉施設で5年以上かつ7200時間以上児童の保護に従事した経験がある |
(※)学校教育法に基づいた専修学校でかつ、修業2年以上の専門課程であること。
資格名 | 保育士試験【国家資格】 |
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公式サイト | 一般社団法人 全国保育士養成協議会 |
資格の概要 | 保護者に代わって子どもたちを保育する保育士になるための国家資格 |
受験資格 | あり(短大卒以上、詳しくは上記表参照) |
受験料 | 12,950円 |
試験日程 | 年2回 |
試験実施方法 | 指定試験会場にて受験 |
合格率 | 約24%(参考:保育士試験の実施状況(令和元年度)) |
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
営業事務などのパソコンを使った仕事に就きたい方におすすめの資格が、MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)です。MOSは、マイクロソフト社のOffice各種(Word、Excel、PowerPoint、Access、Outllook)の使用スキルの証明ともいえる資格です。
パソコン業務を行うにおいて必須の資格ではありませんが、企業がどの人を採用するか検討するときに力を発揮する資格です。面接時に「パソコンが使えます!」と口頭で聞いても、どの程度使えるかはわかりにくいものですよね。そんなとき履歴書にMOS資格を記載していれば、この人はMOS資格レベルのパソコンスキルがある、と企業が判断しやすくなります。
企業にとって、今やパソコンスキルは必須ともいえるもの。はっきり評価ができない人と、MOS資格でパソコンスキルが確実にあると評価できる人だったら、後者が選ばれる確率はグッと高くなりますよね。
もちろん、MOS資格取得のために身についたパソコンスキルは、実務にも使えることでしょう。独学でも勉強しやすいこともあり、主婦が将来の再就職にむけて取得しやすい資格といえます。
Officeソフト毎に試験が分かれていますので、まずは実務での出番が多いExcelやWordから取得するのがおすすめです。ソフトの利用に自信がある方は、さらに上のレベルのエキスパート資格にチャレンジしてみても良いですね。
資格名 | MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト) |
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公式サイト | MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト |
資格の概要 | Word、Excel、PowerPointなどの利用スキルを証明する資格 |
受験資格 | なし |
受験料 | 一般:1科目10,780円(税込) エキスパート:1科目12,980円(税込) |
試験日程 | 全国一斉試験:月1~2回/随時試験:各試験会場が設定した日程 |
試験実施方法 | 指定試験会場にて受験 |
合格率 | 非公開 |
登録販売者
- 子どもの成長に合わせて、勤務時間を伸ばしていきたい
- 地域の方や医療に関わる仕事をしたい
そんな方におすすめなのが、都道府県が試験を実施する登録販売者の資格です。
登録販売者は2009年から始まった比較的新しい資格で、薬剤師以外の人間が一般用医薬品(いわゆる市販薬)を販売するために必要な資格となります。ドラックストアや薬局に勤務するときに有利になり、採用されやすさはもちろんのこと、資格の有無により時給が大きく変わります。全国各地にたくさんあるドラックストア、勤務しやすい場所が選べるのも魅力ですね。
また、直近5年間のうち月80時間の以上勤務の2年間続けることによって、「店舗管理者」という一般用医薬品を販売しているドラックストアに、必ず配置しなければならない人材になることも可能です。
登録販売者は、お子さんの成長に合わせて勤務時間を伸ばし、キャリアアップも可能な有用な資格といえるでしょう。
資格名 | 登録販売者【公的資格】 |
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公式サイト | 都道府県ごとに異なるため、各都道府県の登録販売者試験を確認 (例:東京都福祉保健局|登録販売者試験について ) |
資格の概要 | ドラックストアなどで、薬剤師以外の人間が一般用医薬品を販売するために必要な資格 |
受験資格 | なし |
受験料 | 都道府県により異なる(例:東京都(令和3年度)は13,600円) |
試験日程 | 年一回、日程は都道府県により異なる |
試験実施方法 | 指定試験会場にて受験 |
合格率 | 33.0%(参考:東京都福祉保健局|令和2年度登録販売者試験について ) |
今の生活にも将来の独立起業にも役に立つ資格3つ
今の暮らしから将来の独立、フリーランスとしても活用できる資格を取りたい!とお考えの主婦におすすめの資格を紹介します。
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士
主婦として家計をにぎる方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士です。
FP技能士は、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格のこと。FPはいわば、家計に関する幅広い相談に対応するお金のプロです。家計に関わるお金のこと、例えば住宅ローンや教育資金、保険、年金など、生活とお金の関わる幅広い知識を身につけ、お金に関わる相談に対応します。
FP技能士の資格は、金融機関や保険会社などへの再就職にも有利なほか、フリーランスとして独立開業し家計相談を受ける道もあります。仕事以外にも、FP技能士としての知識は普段の生活にも役立つ、力強い資格といえるでしょう。
FP技能検定試験は、下記2団体で検定試験を行っています。
- 日本FP協会
- 金融財政事情研究会
資格に違いはありませんので、受験しやすい方を選びましょう。今回は、日本FP協会の3級FP技能検定の概要を紹介します。
資格名 | 3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士【国家資格】 |
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公式サイト | 日本FP協会 |
資格の概要 | FPとして働くため、必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定 |
受験資格 | なし |
受験料 | 6,000円 |
試験日程 | 年3回、例年5・9・1月の日曜日 |
試験実施方法 | 指定試験会場にて受験 |
合格率 | 学科89.64%、実技88.04% (参考:2020年9月実施3級FP技能検定試験結果) |
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、2016年に国家資格となったキャリア支援のプロともいえる資格です。とくに主婦はどんな職業を選べばいいのか、どんなキャリアを育てていけばいいのか悩む人が多く、この記事をご覧のあなたも、将来のための資格についてお悩みではないでしょうか。
そんな悩んでいる人の話を聞き、職業選択にやキャリア開発のアドバイスなど、キャリアコンサルティングを行うのがキャリアコンサルタントの仕事です。
キャリアコンサルタントの勉強を通じて、あなた自身のキャリアを考えるきっかけにもなり、あなたのように悩んでいる方の力にもなれる。そんな資格といえるでしょう。
キャリアコンサルタント資格を取得するためには、国が認める養成講座の受講と修了の上、国家試験に合格しなければなりません。
くわしくは、【2021年最新】キャリアコンサルタントになる方法|受験資格・難易度・合格率・通信のみの講座も始まりました!をご覧ください。
資格名 | キャリアコンサルタント【国家資格】 |
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公式サイト | 厚生労働省|キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント |
資格の概要 | 安心して職業に関する相談を行うことのできる、基本的な能力を測る試験 |
受験資格 | なし(ただし厚生労働大臣が認定する講習の課程の修了が必要) |
受験料 | 学科試験 8,900円、実技試験 29,900円 |
試験日程 | 年3回 |
試験実施方法 | 指定試験会場にて受験 |
合格率 | 50%(参考:第16回キャリアコンサルタント試験結果の概要 ) |
終活ガイド
最近メディアで話題の「終活」ご存知ですか?
高齢化社会が進む中、生前整理や介護、葬儀、お墓、相続など、終活に関わる内容で悩んでいる高齢者が増えています。主婦世代の私たちにとっても、自分の両親や夫の両親に万が一があったとき、本人の希望にかなう介護や葬儀が行えるか不安な方も多いでしょう。また、あなた自身に何かあったとき、銀行の通帳や生命保険など、家族は把握してくれているでしょうか。
と、少し重たいことをいいましたが、終活には「これからをどう生きたいか」を考えるにおいて、大切なことがつまっています。
そんな終活の専門家となる「終活ガイド」という資格があります。終活ガイドになるための知識は、あなたや両親はもちろん、あなたの身の回りの人の役に立ちます。
終活ガイド資格の良いところは、収入につながるところにもあります。将来的に終活ガイド上級(1級)を取れば、終活を仕事にすることも夢ではありません。
終活ガイド初級(3級)は無料で取得が可能ですので、まずは気軽にチェックしてみてくださいね。
資格名 | 終活ガイド初級(3級)・中級・上級(1級) |
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公式サイト | 一般社団法人 終活協議会 |
資格の概要 | 終活に必要な知識と情報を身に付けて、地域の相談やお困りごとを解決できる人材を育成する資格 |
受験資格 | なし |
受験料 | 初級:無料、中級:5,000円、上級:50,000円(税込) |
試験日程 | 随時 |
試験実施方法 | オンライン、もしくは会場にて |
合格率 | ほぼ100% |
将来のために、主婦が資格を取得するメリット
ここまで資格を紹介してきましたが、家事や育児に忙しい主婦が資格を取るメリットってなんでしょう?
資格取得は回り道のようで近道にもなり、さらには収入を大きく増やせるメリットがあります。主婦が将来のために資格取得をするメリットを2つ紹介します。
ブランクがあっても、再就職につながりやすい
企業側からすると、ブランクが長く、資格もなくてスキルの判断がしづらい人材は、採用するのに不安が残ります。また、再就職したいと考えるあなた自身も、ブランクの期間が長ければ長いほど「ちゃんと働けるだろうか」と、不安な気持ちになりませんか?
そんなとき、資格が力になります。
企業側から見ても「この人は資格があるから、長く勤めてもらえそうだ」と好印象につながり、あなた自身も資格取得が仕事への自信につながるでしょう。
資格取得の結果、ブランクがあっても再就職につながりやすくなるメリットがあるといえます。
専門性のある資格は、給与の面でも優遇される
資格の取得のメリットとして、給与の面での優遇もあげられます。
特に専門性のある資格は、正社員なら基本給や資格手当、パート・アルバイトなら時給に直結します。同じ時間勤務していても、資格の有無で給与に差が出てくると考えられますね。
効率よく収入を伸ばすためには、やはり資格は重要であるといえるでしょう。
資格取得のデメリットは?
資格取得のデメリットは、ずばり「時間や費用がかかる」ことでしょう。有用な資格は、研修や試験勉強に時間がかかりますし、勉強のためにスクールに通うとなれば費用も必要です。
今回紹介した資格は、どれも費用対効果が高いものを厳選して紹介していますが、時間や費用を抑えるためには、
- 一度で合格できるように、しっかり勉強する。
- 資格取得で受講費用キャッシュバックなどの、割引制度があるスクールを選ぶ。
- 教育給付金制度が利用できるか検討する。
ことが大切です。
教育給付金制度を利用しよう
資格取得の費用負担軽減のために、利用したいのが教育給付金制度です。
教育給付金制度は、雇用の安定と再就職を促進するための雇用保険による給付制度で、厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講・修了した際に、本人が教育訓練施設に支払った費用の一定割合の額がハローワークより支給されます。
支給条件は以下のとおりです。
- 雇用保険の被保険者(支給要件3年以上)
- 雇用保険の被保険者だった人(支給要件3年以上かつ、離職日から1年以内)
妊娠・出産・育児・疾病などにより前職を離職した場合は、適用対象期間の延長手続きをとることにより、教育給付の対象期間の延長(最大19年間)が可能となります。今すぐの受講が無理だとしても、延長の対象であれば受給する機会があるかもしれません。
まとめ
今回は、主婦におすすめの資格を紹介しました。
家事や育児に忙しい主婦が資格を取ろうと考えたとき、将来どんな仕事をしていきたいかを考えた資格選びが必要になります。
再就職をお考えなら、再就職したい業界に関連する資格が一番の近道になるでしょう。
- 医療事務
- 介護職員初任者研修
- 保育士
- MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
- 登録販売者
働き方が多様化する現代。フリーランスとして自由に働きたいなら、自分自身や周りの人の役に立てるような資格を選べば、仕事につながりやすいのではないでしょうか。
- FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士
- キャリアコンサルタント
- 終活ガイド
将来のための資格選びが、これからのあなたのキャリアを考える良いきっかけになりますように!