赤ちゃんのお世話に専念するため、一定期間仕事をお休みすることを「育児休業期間」と呼び、略して「育休」と呼ばれています。
育休中は仕事をせず収入が下がってしまうので、「育児休業給付金」いわゆる育休手当を申請する方がほとんどでしょう。
手当の金額によって生活費を考える場合、気になるところですよね。
そこで今回は、育児休業給付金(育休手当)の計算方法について解説しています。
育休延長する場合や、育休中に就労する場合についても記載したので、ぜひご参照ください。
育休手当の計算方法は?
育休手当の計算方法についてご紹介します。
【育児休業開始から180日目までの育休手当の計算方法】
[休業開始時賃金日額×支給日数]×67%
【育児休業開始から180日目以降の育休手当の計算方法】
[休業開始時賃金日額×支給日数]×50%
参考:厚生労働省
この「支給日数」は原則として30日です。
育休手当の計算方法のポイント|休業開始時賃金日額とは
これは人によって異なりますので、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」で確認をしてみましょう。
ちなみに、育休取得前の6ヶ月の賃金を180で割った金額が休業開始時賃金日額です。
参考:厚生労働省
多くの方がお給料を1ヶ月単位でもらっているかと思いますが、そのお給料は毎月同じ額とは限りませんよね。残業などによって多少月ごとに違いがあるでしょう。
1ヶ月の賃金を30で割るわけではありませんので、ご注意ください。
育休手当の計算方法のポイント|6ヶ月目以降から支給額が減る
育休手当の計算式をご紹介しましたが、注目すべきポイントとしては6ヶ月目以降から計算方法が変わるということです。
育休手当が減額されている!とびっくりしないように覚えておいてくださいね。
育休手当の計算方法のポイント|上限額・下限額がある
育休手当はいくらでも支給させるわけではなく、上限額と下限額があります。
2021年8月現在の育休手当の上限・下限額は次のようになっています。
- 上限額 月額賃金が 450,600円まで
- 下限額 月額賃金が 77,310円まで
たとえお給料が48万円でも、450,610円として計算をします。お給料が77,310円以下の場合は、77,310円として計算をしてください。
参考:厚生労働省
育休手当の上限額・下限額は見直しをされていて、毎年8月1日から新たな金額になります。
ここで紹介している上限額・下限額は令和4年(西暦2022年)7月31日まで適用されます。
育休手当の計算方法がわからない…具体例を見てみましょう
こんな方も多いかもしれませんので、一緒に見てみましょう。
例1:月額賃金30万円
【育休開始から180日の育休手当の支給額】
300,000円×67%=201,000円
【育休開始から180日以降の育休手当の支給額】
300,000円×50%=150,000円
例2:月額賃金20万円
【育休開始から180日の育休手当の支給額】
200,000円×67%=134,000円
【育休開始から180日以降の育休手当の支給額】
200,000円×50%=100,000円
なぜ収入が多い人のほうが育休手当が多いのか
月収30万円と20万円の具体例からわかるように、収入が多い方が育休手当の支給額も多くなります。
賃金が多い人が得をするなんてズルい…と感じるかもしれませんが、育休手当の計算方法は平等な仕組みと言えるでしょう。
賃金が30万円だった人にとっては30万円の収入が得られないことになりますし、20万円の人の場合は育休中に20万円が得られないことになります。
どうしても育休手当の計算方法がわからない場合は会社へ
20万円、30万円の計算方法をご紹介しましたが、実際には綺麗な数字になることはなかなかありません。
どうしても育休手当の支給額がわからない場合は、会社やハローワークに相談してみましょう。
また、実際に振り込まれた育休手当の支給金額が自分の計算と合わない場合も、ハローワークや会社に相談してみてくださいね。
そもそも育休手当とは何か
育休や育休手当についてご紹介します。
育休とは
育休とは育児休業期間の略で、子育てをするために取得する休業のことです。
産休は女性のみが取得しますが、育休は男性も取得することが可能です。
- 女性の場合は、産休が終わった翌日から子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで
- 男性の場合は、子どもが生まれた日から1歳の誕生日を迎える前日まで
また育休は延長することができ、最大で2歳まで延長申請することができます。
育休手当とは
育休手当は「育児休業給付金」のことです。
育休中は会社で働かないため、お給料をもらいませんよね。
しかし給料を貰えなくても子育ての費用や日常の生活費はかかりますので、育児休業給付金という制度があります。
育休中に支払われた賃金がある場合の育休手当の計算方法
そんな方のために、計算方法についても解説します。
参考:厚生労働省
しかし、育休手当の支給には条件があります。
- 月に10日以下
- 10日を超える場合は就労時間が80時間以内
上記が支給の条件です。
育休期間中に就労をして、その賃金が育休中に支払われる場合は次の計算を最初にしましょう。
[休業開始時賃金日額]×支給日数(原則として30日)×80%
この計算方法で出た金額以上に賃金が支払われる場合は、育休手当は0円となります。
育児休業給付金は、収入を補うためのものです。
育休中に就労をして一定の賃金を得ている場合は、収入を補い必要がないと判断されます。
育休を延長したときの育休手当の計算方法
育休を延長したときの計算方法をご紹介します。
育休は延長できます
育休は子どもが1歳6ヶ月まで延長が可能です。さらに2歳まで再延長することもできます。
参考:厚生労働省
延長が認められる理由は次のようなものが挙げられます。
- 保育所などが見つからず、働くことができない
- 配偶者が亡くなった
- ケガ、病気、精神上の問題により、育児が困難
- 6週間以内に出産、もしくは産後8週間以内
育休延長した場合の育休手当の支給額の計算方法をご紹介します。
[休業開始時賃金日額×支給日数]×50%
延長期間中は、すでに育休開始日から180日以上経過しているため、50%となります。つまり育休開始後半年までは67%、それ以降は延長してもずっと50%という計算方法です。
まとめ
育休手当の計算方法は、開始から半年間とそれ以降で異なります。
最初の半年は、[休業開始時賃金日額×支給日数]×67%。それ以降は50%に支給額が減ります。
育休中に就労をすると、場合によっては育休手当が支給されない場合や減額される場合があるため、気を付けてくださいね。
おっしまーい^^