出産後、仕事復帰についての悩みはつきません。
- 子育てと仕事の両立ができるか不安だ
- いきなり長時間勤務は大変かな
- 家事まで手が回らないかも
子育ても仕事も頑張りたいがゆえに
と、モヤモヤとしてしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「どうする?」づくめの出産後の仕事のお悩みについて、5つの場面別に考えてみました。
- 仕事復帰について
- 保育園探しについて
- 働き方について
- 家事分担について
- 仕事探しから始める場合について
出産後の仕事|仕事復帰はどうする?
産前産後休暇、そして育児休業中の方。思った以上に会社との関わりが薄くなり、以下のようなことでお悩みではないでしょうか。
- いつ復帰すれば良い?
- 本当に仕事復帰できる?
順にどうしたら良いか、考えていきましょう。
いつ復帰すれば良い?タイミングをチェック!
原則として、育児休業は1年と定められています。
あくまで原則なので「できればちょっと早めに帰ってきて欲しい」といわれたり、反対に仕事復帰の日付を会社側から指定されず「え?こっちで勝手に決めていいの?」と悩んだりする場合も考えられます。
厚生労働省の調査によると育児休暇後の仕事復帰は、お子さんが1歳前後というタイミングが多い傾向にあります。
平成29年度に仕事復帰した女性の育児休業期間は、以下のように報告されています。
取得期間別育児休業後復職者割合(一部)
8か月~10ヶ月未満 | 10.9% |
---|---|
10か月~12ヶ月未満 | 31.3% |
12か月~18か月未満 | 29.8% |
(参考:厚生労働省|平成30年度雇用均等基本調査(確報)(表3 取得期間別育児休業後復職者割合より抜粋))
平成29年4月1日から平成30年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した女性の育児休業期間は、「10か月~12か月未満」が31.3%(平成27年度31.1%)と最も高く、次いで「12か月~18か月未満」29.8%(同27.6%)、「8か月~10か月未満」10.9%(同12.7%)の順となっている。
(引用元:厚生労働省|平成30年度雇用均等基本調査(確報))
育児休業が原則1年間と定められているのに、なぜこんなに幅があるのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
この結果には、保育園の状況が大きく関わっているとみられます。特に待機児童が多い地域では年度途中での入園が難しく、1歳前後の4月入園に合わせて育児休業を終了する方が多いのではないでしょうか。
後述の「保育園探しはどうする?」もご参考のうえ、仕事復帰の日を決めるようにしましょう。
もちろん保育園事情とともに、仕事復帰の日は会社とも相談してください。
社会保険に加入している方は、復帰日は月初にしてほしいなど、会社側も手続き上の希望があるかもしれません。
スムーズな仕事復帰のためにも、職場とのコミュニケーションは欠かさないようにしたいですね。
本当に仕事復帰できる?
- 1年も仕事から離れて、出産前のように仕事ができるだろうか
- 復帰するつもりだったけれど、もう少し子どもと一緒にいたい
こんな気持ちの方も多いですよね、よく分かります。
かといって、その勢いで仕事を退職しては後悔にもつながりかねません。仕事復帰まで日数がある場合は、ご自身の気持ちとじっくり向き合ってみてはいかがでしょうか。
慣れた職場を手放すことは、以下のようなデメリットも考えられます。
- 収入の減少
- 社会への繋がりの減少
- 仕事探しが大変
子育てと仕事の両立が不安な場合は、職場の先輩ママに相談してみても良いでしょう。
また職場は変えずに、働き方を変えるという方法もあります。働き方については、後ほど詳しく紹介しておりますので、ご参考になさってくださいね。
もちろん考えた末、退職するという選択肢もあります。ご家庭によってワークライフバランスは違うものです。
出産後の仕事|保育園探しはどうする?
仕事復帰への最重要課題が、ずばり”保育園探し”です。保育園探しには、以下の「どうする?」が考えられます。
- 保育園の利用手続きは?
- 希望の園に入れなかったら?
順に紹介していきますね。
保育園の利用手続きは?早めに空き状況を確認しよう!
まずは、お住まいの自治体(市区町村役場)に「保育園を利用したいがどうすれば良いか」と確認しましょう。
自治体のホームページに保育園の利用に関する手続きや、保育園の空き状況が掲載していることもあります。合わせてチェックしてみましょう。
待機児童が多い地域だと年度途中には満員になり、4月入園でないと保育園に入れない場合もあります。
遅くとも復帰予定日の半年前には、空き状況や地域の保育園事情を確認しておきたいですね。
またママ友の口コミも、保育園探しの強い味方です。
- 登降園時も安心!広い駐車場完備
- 持って行くのが大変!お昼寝布団レンタルの有無
- おいしいご飯が嬉しい!こだわりの給食やおやつについて
など、保育園ごとの特徴は、やっぱり現役ママが一番知っています。より良い保育園選びのために、ぜひ確認しておきましょう。
希望園に入れなかったら?育休延長や転園という選択肢も
待機児童が多い、いわゆる保育園激戦区の場合、希望の園に入園できないという状況もあり得ます。
そういった場合には、
- 1歳6か月までの育休延長(再延長で最長2歳まで)
- 空きのある保育園に入園後、転園申請
などの選択肢が考えられます。育休の延長については「入園が難しいので育休の延長をお願いしたい」旨を会社に伝えましょう。
最近では働いている親のために、預かり保育が充実している幼稚園もあります。
満3歳になれば幼稚園も保育料無償化の対象となりますので、転園先の候補のひとつとして考えておいても良いでしょう。
病児保育室やファミリーサポート事業への登録も
お子さんが小さいうちは、何かと病気やケガをするもの。
そんなときに利用できるのが病児保育室です。
病児保育室は、病院や小児科などに隣接して運営されています。利用するためには事前登録が必要なことも多いので、お近くの病児保育室を確認しておくと良いでしょう。
また「子育ての援助をお願いしたい人」と「子育ての援助を行いたい人」をつなぐ、ファミリーサポート事業にも登録をおすすめします。
ファミリーサポートでできること
- 幼稚園・保育園への送迎
- 習い事の送迎
- 通院時の預かり
など
サポート料金は日中なら1時間700~1,000円ほど。自治体によっては、保護者の体調不良などに利用できる、緊急時のサポート体制をとっていることもあります。
(参考:越谷市|「ファミリー・サポート」と「緊急サポート」は何が違うのですか?)
事前登録をしておけば、いざというときも安心です。あらかじめ登録しておきましょう。
出産後の仕事|働き方はどうする?
こんな不安な気持ちが考えられますよね。
そんな方のために、短時間勤務制度があります。詳しい制度内容を紹介します。
正社員やフルタイムパートは、時短という選択肢も
以下の勤務条件で働くママは、1日の勤務時間を原則6時間とする時短勤務(=短時間勤務制度)が利用できます。
- 3歳未満の子どもがいる
- 今の会社で1年以上働いている
- 1日の勤務時間が6時間を超えている、かつ1週間に3日以上の勤務である
正社員だけでなく、上記条件を満たすフルタイムパートの方も、時短勤務は利用可能です。時短勤務を希望する場合は、会社にその旨申し出ましょう。
時短勤務で要領をつかめば、その後のフルタイム復帰への自信にもつながりますね。
注意点としては、時短勤務になった場合、働いていない時間分の給料は出ない会社がほとんどです。
もちろん、最初から時短勤務なしで働く方もいらっしゃいます。仕事環境や家庭環境によって働き方はさまざま。あなた自身が無理のない働き方を、選ぶようにしてくださいね。
出産後の仕事|家事分担はどうする?
仕事復帰すると、子育てと仕事だけで大忙し。家事まで全て抱え込んでしまっては、参ってしまいます。
そこで考えたいのが、夫婦での家事分担を「どうする?」です。
夫婦で分担はできる?夫婦で冷静に話し合おう
正直なところ、一人で子育てをして仕事もして、それから家事も全部やって…となると、へとへとになっちゃいますよね。
とはいえ、夫が激務で毎日深夜帰宅というご夫婦もいらっしゃるでしょう。
そんな場合でも、例えば
- ゴミのとりまとめ~ゴミ出し
- 入浴後にお風呂掃除
など、できることがあるかもしれません。仕事復帰のこの機会を利用して、ご夫婦で分担できる家事について考えてみませんか。
▼夫婦の家事分担・シェアシートをダウンロード(印刷)する▼
出産後の仕事|仕事探しからはじめる場合はどうする?
元の職場に戻るだけが、仕事復帰ではありません。退職を経て出産し、仕事探しからスタートする方もいらっしゃいますよね。
出産後の仕事探しについては
- 何からすべき?
- どんな仕事が良い?
上記2つの「どうする?」という視点から紹介いたします。
何からすべき?まずはハローワークに行こう!
仕事を探すためには、まずはハローワークに行きましょう。
お子さんの預け先が無い状況での仕事探しや、子育てと両立できる仕事について相談をしたい場合は、お子さんを連れて利用できるマザーズハローワークの利用もおすすめです
マザーズハローワークでは、
- 就職相談の間に利用できるキッズコーナー
- 地域の保育所情報のとりまとめ
- 就職に役立つセミナー
など、仕事に復帰したいママのために、さまざまな支援を行っています。ぜひ一度足を運んでみましょう。
失業給付の受給条件は以下のとおりです。
- 離職前2年間に雇用保険に加入していた期間が12か月以上ある
- 就職しようとする意思がある
- 仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就けていない
雇用保険基本手当日額(失業給付)の目安
賃金日額(退職前6カ月の賃金合計÷180)× 所定の給付率(50~80%)
受給期間は離職日の翌月から1年の間ですが、妊娠出産などですぐに働けない場合は、最大3年間延長が可能です。
延長手続きは離職してから30日経過後の1ヶ月以内が期限となっていますが、延長後の受給期間内なら申請は可能です。手続きをしていない場合は早急にハローワークへ相談してくださいね。(参考:厚生労働省|離職されたみなさまへ)
どんな仕事が良い?ワークライフバランスを重視して選ぼう!
子育てと仕事を両立させようと思うと、どんな仕事が良いでしょう。
両立しやすい仕事は、以下のような条件が考えられます。
- 社員数が多く、急なときでも休みやすい
- 同じ子育て中の方が多く、お互いの状況を理解しあえる
- 家もしくは保育園から近い
そういった子育て中ならではの事情を分かってくれる職場を選ぶと、あなた自身も安心して仕事ができますね。
まとめ:出産後の仕事に関する5つの「どうする?」悩みを解決して、いざ仕事復帰!
今回は、出産後の仕事に関する5つの「どうする?」について紹介しました。
出産後の仕事復帰は保育園やお子さんの状況、会社の状況などによって、大きく左右されるのは否めません。