現代では、1つの仕事だけにこだわりをもたない「パラレルキャリア」に注目があつまっています。とはいえ、まだそこまで浸透していない言葉なので「パラレルキャリアって何かの必殺技ですか」と思われる方もいるはず(いない)
そこで今回は、パラレルキャリアの注意点やメリット・デメリットのほかに、パラレルキャリアを実現させるための具体的な手順や取り組み方法についてもお伝えしています。
- パラレルキャリアとは
- 副業との違い
- パラレルキャリアのメリット、デメリット
- パラレルキャリアを始めるための3ステップ
- 注意点
セカンドキャリアを築きたい人やチャレンジしてみたいことがある人に、とってもおすすめの働き方ですよ。
パラレルキャリアとは
パラレルキャリアとは英語で「並行」を意味し、本業とは別で並行して行う活動を「パラレルキャリア」と呼びます。
これは経営学者のピーター・ドラッカーが著書「明日を支配するものー21世紀のマネジメント革命(ダイヤモンド社)」のなかで提唱した考えです。
まとめると、以下となります。
◆パラレルキャリアとは◆
- 本業とは別に仕事をもつ
- 副業とは違い、必ずしも副収入が目的ではない
- 夢の実現、目的の達成、社会貢献などが含まれる
具体的に「これ!」といった働きかたの定義があるわけではなく「以前からやりたかったことにチャレンジする人」「本業のスキルを活かして、社会活動に取り組む人」など、何を主軸にはじめるのかは人によって違います。
とはいえ本業でのスキルを生かして新たな分野で活動を始める人は多く、例えば以下のような組み合わせが考えられます。
- 【元の仕事】編集者+【パラレルキャリア】メディア運営
- 【元の仕事】銀行員+【パラレルキャリア】投資コミュニティの講師
- 【元の仕事】事務員+【パラレルキャリア】オンライン秘書
- 【元の仕事】製造業+【パラレルキャリア】YouTuber
パラレルキャリアと副業の違い
パラレルキャリアと副業は同じものと一括りにされがちですが、実は違います。最大の違いは「目的」です。
副業の目的 | 金銭的な報酬を得ること |
パラレルキャリアの目的 | 人との交流・挑戦・スキルアップ、社会貢献活動などに取り組むことで、必ずしも金銭的な報酬を得ることが目的ではない |
例えば副業や職業のカテゴリーにおいて「専業主婦」は選択肢から外れますが、パラレルキャリアのカテゴリーにおいては、専業主婦の行う家事は立派なキャリアと言えるでしょう。
専業主婦が家事以外のことで、やりたいことを見つけ挑戦することもパラレルキャリアといえます。
パラレルキャリアは、ひとつの職場で働いているだけでは知り合うことができないような、違う業界の人とも繋がることができます。お金では得ることのできない時間や経験を体験することができるため、高い意識で取り組むこととなるでしょう。
パラレルキャリア注目が集まっている理由
パラレルキャリアには明確な定義がある訳でもありません。本業と並行して行うため時間も労力も消費しますし、報酬が伴わない場合もあるにもかかわらず、なぜ広まりを見せているのでしょうか。
パラレルキャリアが広がりを見せる理由は以下の通り。
- ワークスタイルの多様化と雇用の問題
- 企業側の変化
「ワークスタイルの多様化」と「雇用の問題」
「終身雇用」や「年功序列」といった従来の日本独特の雇用スタイルが消えつつあり、「ダブルワーク」「転職の一般化」「成果主義」と雇用スタイルは日増しに多様化しています。
古いワークスタイルだけにとらわれず、新しいワークスタイルを持ちたいという人が増えました。その取り組みの一つとして「パラレルキャリア」も含まれています。
「企業側の変化」
企業の研修や社員教育といえば、会社の資金を利用しての「スキルアップ研修」などが一般的でした。
社員がパラレルキャリアに取り組むことにより、従業員が会社の予算を使うことなく自らスキルアップをしてくれることで企業側としても助かります。このように、パラレルキャリは企業へのメリットも大いにあります。
少子高齢化の税収問題の観点でみても、本業以外での活動(副業含む)を緩和する企業も増えています。パラレルキャリアは、今後も増え続けていくこととなるでしょう。
パラレルキャリアのメリット
パラレルキャリアの活動の定義はとても幅広いため、人によって感じるメリットは変わってきます。多くの人が共通して感じるメリットとして、下記の5つがあります。
- やりたかったことにチャレンジできる
- 起業の下準備として学べる
- 収益が出る可能性がある
- 労働を客観視できるようになる
- 人脈が広がる
①やりたかったことにチャレンジできる
パラレルキャリアの最大のメリットは「やりたかったことにチャレンジできる」ことです。
社会人になると
と思い始める人もいますよね。パラレルキャリアは本業の仕事を辞めたりせずに、ローリスクで自分のやりたいことに挑戦できます。
本業という資金源を確保しつつ新しいキャリアを創り上げていくことは、自分の可能性を探ることができますし、以前からやってみたかったことを形にしていく絶好のチャンスともいえますね。
②起業の下準備となる
ひと昔前までは「終身雇用」が当たり前でした。
組織の中で働いていれば、有休もあるし、社会的信用も得ることができる。しかし、現代ではいつ会社の経営が傾くのか分からない不安定な時代となりました。業界ごとなくなる可能性だってあります。
企業で手厚い社会保障に守られていると安心感もありますが、そこだけで長い時間を過ごすには若干のリスクを感じる時代です。とはいえ会社を辞め独立起業し、生活できる水準まで収入を増やすには長い時間を必要とするでしょうし、保証もありません。
パラレルキャリアでは、本業を辞めず起業の準備をすることだって可能です。パラレルキャリアで収入を安定して確保できるようになれば「起業」に踏み切ることも可能ですよ。
③収益が出る可能性がある
パラレルキャリアの目的は必ずしも「収入源」ではありませんが、活動をしているうちに収益が出ることも良くある話です。
実際に、パラレルキャリアとしての活動が本業以上に伸びている人や、結果として本業よりも高い収益を稼ぐ人もいます。
パラレルキャリアに取り組む人たちの多くは、パラレルキャリアで得た収益を自我欲につかうのではなく、さらにパラレルキャリアの活動費として充てる人も多いようです。
④労働を客観視できるようになる
本業だけで働いていると「社員や職員」にカテゴライズされ、働く側の視点としてだけに立ってしまうものです。
パラレルキャリアにおいて、自らが展開する取り組みを体験することで経営者側の視点にも経つことができるようになります。本業について客観視できるようになり、ビジネスに対しての視界が開けます。
⑤人脈やネットワークが広がる
パラレルキャリアに取り組むことで、人脈やネットワークが広がります。
自分の活動に興味を持って寄ってきてくれる人もいれば、自信が外部に助けを求めたことがきっかけで人脈となる可能性もあります。
そうした開かれた関係性で生まれた繋がりは、パラレルキャリアをともに歩み、悩みを共有したり、情報共有したりできる今までにない社会的なポジションの繋がりとなっていくことでしょう。
パラレルキャリアのデメリット
次は、パラレルキャリアのデメリットについての解説です。
メリットの多いパラレルキャリアですが、もちろんデメリットもあります。下記の4つについて解説していきたいと思います。
- 周囲や企業の理解が得にくい
- 時間が無くなる
- お金がかかる
- パラレルキャリアを見つけられない
①周囲や企業の理解が得にくい
広まりを見せているパラレルキャリアですが、現段階では(2021年1月)ひとつの企業だけで働いている人の方がやはり大多数を占めています。
パラレルキャリアをしていることで、同僚から
と不思議に思われることもあります。
上司や企業側も、職場の規約に違反するわけではないため了承したものの「人材流出」や「企業にとってマイナスなことがあるのでは」と心配することもあるようです。
※実際にパラレルキャリアは取り組んでみると、本業への仕事意識も向上すると言われています。多くのスキルを身につけることができますので、理解を得るためには「取り組みへの説責任」も必要となってくるでしょう。
②時間がなくなる
パラレルキャリアに取り組むと、当たり前のことですが時間をそちらに使うことになるので、結果的に時間を取られてしまいます。
本業の忙しさとパラレルキャリアの忙しさ、更にはプライベートの用事が重なった場合などには慌てふためいてしまうことでしょう。
③お金がかかる
パラレルキャリアでは、お金がかかってしまうことがあります。取り組む内容にもよりますが、初期費用が発生する場合や取り組む中で経費が必要となる場合もあります。
④パラレルキャリアを見つけられない
パラレルキャリアに興味があるのだけれど、踏み切れない理由として
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時は無理に見つけようとせず、自分の棚卸しをしてみると良いかもしれませんね。「何かしてみたい」そう思う気持ちがあるあなたなら、時間はかかっても自分が納得できる道を見つけられるのではないでしょうか^^
パラレルキャリアを始めるための3ステップ
次に、パラレルキャリアの始め方を3ステップに分けて解説していきます。
- ステップ1:実績を作っていく
- ステップ2:肩書きを作っていく
- ステップ3:横のつながりを作っていく
ステップ1:実績を作っていく
パラレルキャリアは、多くの人がゼロからのスタートです。
パン屋をやっている人が突然に作家になったり、カメラマンの人が突然パン屋になったりしても「最初から大成功」となるケースは少ないですし、そうなった人がいるなら、単純に羨ましいです。
新しいことに取り組む場合、最初は誰でも「実績ゼロ」なのは当たり前。
ステップ2:肩書きを作っていく
パラレルキャリアでは自分に新たな肩書を与えることをおすすめします。活動を始めるにあたり、
となってしまうことは避けたいですよね。
Twitterなどの名前やプロフィールでよく見かけるのですが、例えば下記のように、本業+パラレルキャリアとすると、わかりやすいかもしれません。
- 証券会社勤務@投資ブロガー
- 専業主婦@手作りアクセサリーネットショップ運営
- ワーキングマザー@時短料理研究家
ステップ3:横のつながりを作っていく
パラレルキャリアをスタートさせたら「横のつながり」も意識して作っていきましょう。
価値観が同じ場合が多いので、一緒にいてモチベーションもアップしますし、意見や情報の交換も盛んになりますよ。横のつながりの作り方のおすすめとして、以下があります。
- SNS
- オンラインサロンへの加入
- 他のコミュニティへ加入
パラレルキャリアの注意点|本業に支障が出ないよう気をつけよう!
パラレルキャリアが、本業に支障が出ないように気を付けましょう。
パラレルキャリアを実践するためには無理のない範囲で、長い時間をかけて取り組んでいくことを忘れないようにしておきましょう。以下のような状況になっている場合は一度、自分自身への振り返って改善していくことが必要です。
- パラレルキャリアに時間を使いすぎ、睡眠不足になる
- 夢中になりすぎるあまり、本業にかける時間が疎ましくなる
本業に支障が出てしまっては元も子もありません。良いバランスでパラレルキャリアに取り組むことが大切ですよ。
まとめ:【3分で解説】パラレルキャリアとは?メリットは?始め方や副業との違い
パラレルキャリアとは
- 本業とは別に仕事をもつ
- 副業とは違い、必ずしも副収入が目的ではない
- 夢の実現、目的の達成、社会貢献などが含まれる
「本当は、あれもやってみたい」「これにもチャレンジしたい」「叶えたい夢がある」など、今とは別の道も考えているのであれば、パラレルキャリアを始めてみても良いかもしれませんね^^
今回は
を中心に、メリットやデメリット・始め方や取り組み方・注意点についても解説しました。
おっしまーい!^^