男性社員に、積極的に育休を取得してもらいたいと考えている企業は多いでしょう。
では、男性社員が育休を取得すると、企業にはどんなメリットがあるのでしょうか。反対にデメリットがあるのかも気になりますよね。
今回は、男性が育休を取得することでの企業にとっての、メリット・デメリットについて解説しています。
- 【男性の育休】企業にはどんなメリットがあるのか
- 【男性の育休】企業にはどんなデメリットがあるのか
- 男性の育休は義務なのか
- 男性の育休についての企業の義務とは
- 男性職員に育休を取得してもらうためのポイント
ぜひ最後までご参照ください。
【男性の育休】企業にはどんなメリットがあるのか
男性が育休を取得することで、企業にとってはどのようなメリットがあるのか解説します。
【男性の育休】企業にとってのメリット|生産性の向上
男性が育休取得をすることで企業には生産性が向上するというメリットがあります。
そんなことはありません!
育休を取ることで男性社員が育児と仕事をしっかりと分けることができ、社員のワークライフバランスが向上します。
充実した生活を送ることができると、仕事でのパフォーマンスが上がり、企業の生産性も上がることにつながるのです。
【男性の育休】企業にとってのメリット|長く働ける会社になる
育休を男性が取得することで、社員にとって長く働きやすい企業になるというメリットもあります。男性が育児休暇を取りにくい会社だと、産後の妻のサポートがしにくくなり、妻への負担がかかってしまいますよね。
多くの男性社員が育休を取得しやすい環境になると、長く働きやすい企業への成長が期待できます。
【男性の育休】企業にとってのメリット|アピールポイントになる
男性が育休を取得することで、企業のアピールポイントになるというメリットがあります。
「働き方改革」という言葉が広まりました。
就職活動をしている高校生や大学生は、その企業がどのような働き方改革をしているか、気になっているところです。
男性が育休を取得することで就活セミナーなどで、男性の育休を積極的に取り入れているとアピールすることができるでしょう。
令和5年4月1日から従業員数が1,000人を超える企業は育休取得状況の公表が義務付けられる予定です。
参考:厚生労働省
就活生が、企業の育休取得率をチェックするようになるのも予想されます。男性の育休取得率が上がることで、企業の評価につながると考えられますね。
【男性の育休】企業にとってのメリット|社会への貢献
男性が育休を取ることで、企業は社会貢献できるというメリットもあります。
男性が育休を取れば、それだけ妻の育児の負担が減ります。
それだけではありません。
男性が育休を取ることで、育児にゆとりが生まれるため少子化解消にもつながります。
妻のみが育児をしていると負担も大きく、兄弟姉妹が欲しくても、次また子どもを作ろうとはなかなか思えないこともあるかもしれません。
【男性の育休】企業にとってのメリット|イメージの向上
男性が育児休暇を取ることで、企業にはイメージが向上するというメリットがあります。
くるみんマーク・プラチナくるみんマークという制度をご存じでしょうか。
出典:厚生労働省
くるみんマーク・プラチナくるみんマークとは、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から認定を受けたマークのことです。
このマークを活用することで企業PRにもなります。
子育て世帯にやさしい企業というイメージがつくでしょう。
【男性の育休】企業にとってのメリット|助成金が得られる
男性が育休を取得すると、企業が助成金を得られるというメリットもあります。
【男性の育休】企業にはどんなデメリットがあるのか
男性が育休を取得することでデメリットもいくつかあります。
【男性の育休】企業にとってのデメリット|環境作りの負担
男性が育休取得しやすい環境を作る負担がデメリットとして挙げられます。
男性の育児に対する考え方や仕事への考え方はひとそれぞれです。
パタハラとはパタニティハラスメントの略で、男性が育休取得などで不当な扱いを受けることを指します。
企業で研修などをして、パタハラが生じないよう環境作りをする必要があるのです。
男性が育休を取得しようと思える風土、男性社員が育休取得をすると決めたときに快く受け入れられる風土を作る負担があります。
【男性の育休】企業にとってのデメリット|不満の解消
男性の育休のデメリットとして、社員の不満の解消をする負担が挙げられます。
繁忙期に男性社員が育休を取得すると、他の社員がフォローする必要がありますが、「なんで自分がフォローしなければいけないんだ」と不満に感じる方もいるでしょう。
このような社員の不満が生じないように、企業側は対策を立てる必要があります。
【男性の育休】企業にとってのデメリット|フォロー体制を組む負担
育休を取得する男性がいる場合は、企業はフォロー体制を組む必要があります。
育休を取得する人は会社を休むわけですから、育休を取得している方の仕事は他の社員が行います。
男性の育休は義務なのか
男性の育休は義務なのでしょうか、まとめていきます。
男性の育休そのものは義務ではありません
男性の育休そのものは義務ではありません。
つまり妻が妊娠した男性社員がいても、妻が育休を希望しない場合、男性社員本人が希望しない場合は、育休を取らなくてもよいのです。
すでに紹介したように令和5年には1,000人以上の従業員がいる企業は育休状況を公表する義務があります。
そのため義務ではないものの、なるべく男性社員に育休を積極的に取得してほしいと考える企業は多いでしょう。
男性の育休についての企業の義務とは
令和4年4月からは、男性の育休についていくつか企業で義務が生じます。くわしく見てみましょう。
【男性の育休】企業の義務とは|環境整備
男性の育休について企業の義務として環境整備があります。
男性が育休を取得しやすい環境を作る必要があるのです。
参考:厚生労働省
具体的には、「社内研修で男性の育休について理解を深める」「相談窓口や部署を設置して周知する必要がある」などがあります。
【男性の育休】企業の義務とは|個別の周知
育休を希望する男性社員に対して、個別の周知や意向確認が必要です。
具体的には、育休を希望した男性社員と個別に面談をして、育休制度について説明をする必要があります。
【男性の育休】企業の義務とは|取得への働きかけ
すでに紹介したように男性の育休は義務ではありませんが、企業は男性が育休を取得するように働きかける義務があります。
男性職員に育休を取得してもらうためのポイント
男性職員に、育休を取得してもらうためのポイントについてまとめます。
【男性の育休】取得率を上げる企業のポイント|育休のメリットを伝える
仕事にやりがいを感じている、責任感が強くて仕事をやり遂げようとする男性であれば、なかなか育休を取得したがらないこともあるかもしれません。
無理矢理育休を取得させる必要はありませんが、デメリットだけでなくメリットがあることを伝えて育休のよさを伝えるとよいでしょう。
ここでは企業としてのメリットを紹介しましたが、夫婦にとってのメリットもあります。
- 妻の精神的・肉体的な負担が減る
- 子どもの成長を間近で感じられる
- 家事が上達する
上記のようなメリットがあります。
【男性の育休】取得率を上げる企業のポイント|研修の実施
すでに記載していますが、企業として育休についての研修をすることで男性の育休が認知され取得率アップにつながります。
【男性の育休】取得率を上げる企業のポイント|育休手当など制度の説明
そこで、給付金など制度について紹介しましょう。
- 育休手当(育児休業給付金)
- パパ・ママ育休プラス
育休手当は一定の条件を満たすと支給される給付金です。
今まで通りのお給料がもらえるわけではありませんが、最初の半年であれば月給の67%、半年以降は50%が支給されます。
パパ・ママ育休プラスとは、父親と母親の両方が育休を取得する際に1歳までの育休が1歳2ヶ月まで延長される制度です。
まとめ
男性が育休を取得することで企業にはメリット・デメリットがあります。
メリットとして、
- 生産性の向上
- 社員が長く働ける
- 就活生へのアピールポイントになる
- 社会貢献になる
- 企業のイメージ向上になる
- 助成金が得られる
ことが挙げられます。
デメリットとしては、
- 環境作りの負担
- 他の社員の不満解消をする負担
- フォロー体制を組む負担
があります。
男性の育休取得率を上げるためには、社員に育休のメリットを説明する、研修を実施する、手当や制度について説明することが大切です。