- 組織に属するワーママは、産休や育休を経て、仕事復帰?
- 自営業や在宅ワークのワーママは、赤ちゃんが寝ているときに仕事をスタートさせる?
- 専業主婦のママは、子育てが落ち着いたら仕事を始める?
女性は、出産がキャリアに影響する場合があるので、出産後の仕事の開始時期を悩んでしまいますよね。
出産後はいつから働き出し、どのように仕事に戻っていけばよいのでしょうか?
今回は産後の仕事復帰の現状を見ながら、ワーママやいつかは働きたいと考える専業主婦のシチュエーション別に、出産後の仕事をいつからスタートすればいいのかについて解説していきます。
- 産後の女性の仕事復帰の現状
- 会社員・パート・在宅ワーク、仕事はいつから始めるべき?
産後の女性の仕事復帰の現状
ベビーシッター・家事代行サービス運営する株式会社キッズラインが実施した、キッズライン会員であるワーママ433名に「産後の仕事復帰」に関する調査を紹介します。
「産後どれくらいの期間で復帰しましたか?」と質問したところ、約6割にあたる59.5%が「1年未満」という結果となりました。
1ヶ月未満 | 5.5% |
1ヶ月から〜6ヶ月未満 | 18.1% |
6ヶ月から〜1年未満 | 35.9% |
1年〜1年半 | 26.8% |
1年半以上 | 13.7% |
出典:株式会社キッズライン
また、内閣府男女共同参画局によれば、仕事復帰の現状は第1子出産前後に女性が就業を継続する割合は、これまでは4割前後で推移していましたが、最新の調査では53.1%となっています。
就業を継続している人の状況を見ると、育児休業制度を利用して就業を継続している人の割合が大きく上昇している一方で、第1子出産を機に離職する女性の割合も46.9%あり、依然として高い状況です。
例えば、産休・育休を利用して仕事に復帰する正社員として働いていたワーママが増えてきた一方で、パートや派遣、契約社員として働いていたワーママは育休の利用率も低く、離職してしまうケースも多いということもわかっています。
かと思えば、出産・育児を理由に一度離職しても、数年程度で再び仕事に就いている女性が増えているということも現状にあります。
この産後の女性の仕事復帰の現状を踏まえて、ワーママの仕事形態によって出産後の仕事をいつから再開させたらいいのかみていきましょう。
会社員・契約社員・派遣社員・パートの仕事はいつから?
組織に属する女性は法律により、産休育休をとることができます。
それぞれの休業をみていきましょう。
【産前産後休業(産休)とは】
厚生労働省は、産前産後休業を以下の通り説明しています。
産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)※いずれも女性が請求した場合に限ります。
産後は8週間
女性を就業させることはできません。
(ただし、産後6週間を経過後に、女性本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務については、就業させることはさしつかえありません。)
参考:厚生労働省 労働基準法における母性保護規定
産後については 6週間は強制的な休業ですが、 6週間を経過した後は労働者本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に就かせることはさしつかえがないとされています。
【育児休業(育休)とは】
育児休業とは、子を養育するためにする休業をいいます。
労働者が申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができます。
育児休業を1歳6か月(又は2歳)まで取得できる場合もあります。
- 保育園の申し込みをしているが入所できない場合
- 1歳(又は1歳6か月)を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合。
組織に属する女性は産休・育休の法律を知った上で、産後いつ仕事復帰するのかを選ぶことができるのです。
産休は正社員だけではなく、契約社員やアルバイト・パート等の有期契約労働者にも全て適用されます。
育休については、次の条件を満たしていれば、有期契約労働者であっても取得することができます。
【育児休業をすることができる有期契約労働者の範囲】
育児休暇を申出の時点で、次の①②の両方を満たす方が取得することができます。
- 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
- 子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
1年以上就業し、育休後も同じところで働く契約があることがポイントとなるために、正社員に比べるとパート、派遣、契約社員の女性は育休がとりにくいのかもしれません。(契約は短期間というところも多いからです)。
組織に属する人は出産後の仕事のスタートは2つの選択がある
上記の法律から、なるべく早く仕事復帰されたい人は、
- 産休後
- 育休後
この2つのどちらかから選び、仕事をスタートすることができます。
産休後、いちばん仕事を早く始められるのは、8週目から(医師が認めれば6週目から)可能です。
多くのワーママは認可保育園に出産翌年の4月に入園させ、慣らし保育を経て、4月下旬からゴールデンウィーク明けに仕事を開始するのが多数です。
子供の年齢ではなく、保育園に入れるか入れないかが基準になるため、1年未満で復帰するケースとなります。
【慣らし保育とは】
保育園にはすぐに子供を長時間預けることはできません。
慣らし保育というのは、1〜2週間かけて保育園に預ける時間を少しづつ長くしていく保育です。最初の頃は1〜2時間でお子さんを引き取りに行かなければなりません。
保育園によっては慣らし保育の時間はさまざまなので保育所に慣らし保育の期間を確認しておきましょう。
また保育園によっては新生児は六週経過児、八週経過児、4ヶ月経過児からの受け入れの場所もありますのでお子さんの月齢と調整する必要があります。
3月生まれの早生まれのお子さんの場合は0歳児の月齢によって受け入れが可能か、そうでないのかがありますので、よく確認しておく必要がありそうですね。
認可保育園は人気が高く、0歳児枠が少ないのが現状です。
4月の時点で定員に達することも多いので、早生まれの方は育休をしっかりとって、翌年の4月入園にされる人もいます。
出産後仕事をスムーズに始めるためには、保育園の入園の時期がが大切になってきますので、お住まいの自治体で調べておくことをおすすめします。
自営業・在宅ワークの仕事はいつから?
自営業や在宅ワークの出産後の仕事のスタートは自由です。働きたいと思ったらいつからでも働くことができます。
ただし、授乳で体力が落ちていたり、赤ちゃんの寝ている時間しか働くことができませんので仕事の納期があるワーママはゆとりをもった仕事だけにしておくことをおすすめします。
無理して仕事を入れて体調を崩してしまうのは避けたいことですよね。
その理由は出産後に女性の体は6〜8週間かけて妊娠前の体に戻るからです。8週目まではまだ妊娠前の体ではないため、無理はしないほうがいいからということもありますね。
どうしても収入のために働かなければならない女性は、
- 無理のない納期
- 隙間時間にできる仕事
- 家族の手助けを借りる
などして、ご自分の体を労りながら、仕事を始めるようにしてくださいね。
専業主婦はいつから仕事を始めるべき?
内閣府男女共同参画局によれば、仕事復帰の現状は、結婚や出産・育児を理由に一度仕事を辞めてしまっても、数年程度で再び仕事に就いている女性が増えているというデータを発表しています。
いったん育児のために家庭に入り、専業主婦になった女性もお子さんがある程度の年齢になったら仕事をしたいと考え、仕事を始める方も増えてきました。
お子さんのある程度の年齢で仕事を始める時期は、
- 幼稚園入園時
- 小学校入学時
です。
詳しくみていきましょう。
幼稚園入園時に仕事を始める
幼稚園に通う期間は、基本的には3歳から小学校入学前の6歳までです。最近では2歳から通える園があったり、4歳から2年保育する方もいます。
幼稚園の場合、子どもが登園している時間は、朝の8時過ぎ〜午後2時くらいまでのおよそ6時間です。
仕事を始める時期は、入園時の4月はお子さんとママが慣れるまでは不測の事態も起こることもありますので、5月以降がおすすめです。
小学校入学時に仕事を始める
小学校に通う時期は、満6歳から満12歳です。
小学校低学年の間は幼稚園と同様に子どもが登園している時間は、朝の8時過ぎ〜午後2時くらいまでのおよそ6時間です。
幼稚園入園で働くママ同様、午前中を中心とした仕事を選ぶケースが多いでしょう。
小学校入学ではフルタイムで働けない?
小一の壁とは、子供が小学校に入学するタイミングで、親が仕事と育児の両立を困難に感じることです。
例えば、公的な学童保育では通常18時で預かり時間が短く延長がない場合がほとんどです。親が仕事時間を調整するか、子どもに留守番させることになります。
また、小学校には「夏休み」「冬休み」「春休み」などの長期休暇があり、学童に入れないと、親が仕事の形態を変えざるを得なくなることがあります。
- 子どもが小学生に上がったから仕事に集中できる
- 時短勤務からフルタイムに戻ることができる
このように考えている人も多いかもしれませんが、「小一の壁」に阻まれ、希望が叶わないママも多いと言えるでしょう。
学童保育に入れない場合は、ベビーシッターにお願いしたり、長い時間預かってくれる民間の学童もあります。このとき収入より高い費用がかからないように考えることも大切ですよね。
急な残業の多いパートをしていた筆者の友人は、
①学校附属の学童に18時までお子さんを預ける
②19時半までいることができる民間の学童へ18時以降移動
と工夫して、低学年のときを過ごさせていました。
夏休みは8時からオープンしていたので助かったとのこと。費用は高かったそうですが、公的学童+民間学童でうまくやりくりしたそうです。
まとめ 出産後の仕事は時期を見極めて
女性が仕事を続けることが増えてきました。しかしながら、第一子出産を機に離職する女性も多いという事実もあります。
仕事と子育ての両立への負担が女性の仕事復帰への大きな壁となっています。
政府は、女性の就業を継続しやすくすること、出産・育児で離職をしても就業を希望する女性が働くことができるようしくみづくりも少しづつですが整えてくれています。
おっしまーい^^